小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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ただ今、夏のコンサートツアーの真っ最中。撮影の合間にもコンサートを盛り上げるための準備に余念がないメンバーは進行表を見る者、振り付けを再確認する者とさまざまだ。
その中で相葉は自分の仕切りコーナーであるファンからの質問選びをしていた。
「うーん、これは話が広がんないよなあ」
「いい質問あった?」
「んあ?翔ちゃんお疲れぇ」
撮影を終えて戻ってきた櫻井が相葉に声をかけた。
「いっぱいあんなあ。選ぶの大変じゃね?」
「んー、でも見てると楽しいよ。いろんな質問あってさ」
「ふーん。どれどれ・・・『嵐の中で一番喧嘩が強いのは?』って喧嘩したことねえしなあ」
「これは?『自分以外の誰かになれるとしたら、なりたいのは誰?』だって」
「ありがちじゃね?」
「そっかなあ?そうだねー。」
と、相葉はまた質問に目を通し始める。櫻井は不意に興味が湧いてきた。相葉が誰になりたいと思っているのか。
「ちなみにさー、相葉ちゃんは誰になりたい?」
「なにがぁ?」
「だから、誰かになれるとしたら、誰?」
「んー?そうだな~。翔ちゃんかな?」
「え?俺?」
「うん。だって頭良いし、顔もカッコいいもん」
面と向って言われて、櫻井は頬を赤らめる。
「あーでも、ヘタレと筋肉はヤだなあ」
「おいっ!!」
上げといて落とす相葉に、櫻井はヘコむなあそれ、と呟いた。そんな言葉は聞こえていないのか、相葉は更に考え込んでいる。
「んー、やっぱり松潤かなあ。でも顔濃いしなー。キャプテンがいいかなあ。歌も踊りも超うまいし。」
「お前、メンバー限定かよ」
つっこみを入れた櫻井だったが、そこまで聞いて櫻井は疑問に思った。
「なあ相葉ちゃん。ニノは?ニノにはなりたくないの?」
相葉と二宮は恋人同士だ。時にウザイほどのバカップルぶりを見せ付けられている櫻井としては、相葉の口からニノが出てこない事が不思議だった。
「なに言ってんの翔ちゃん。にのになんてなりたいわけないでしょ」
相葉は目を真ん丸く見開いて、櫻井を見遣った。
「だってコイビトでしょ?ニノのこと好きなんじゃねえの?」
「好きに決まってんじゃん」
「好きな人になりたいとは思わねえの?」
「翔ちゃん、ばかじゃないの?」
バカ呼ばわりされて櫻井は少しムッとしながらも続ける。
「バカって、バカは言いすぎだろうよ・・・。でも何でニノにはなりたくないんだよ?普通好きな人になりたいって思うだろ?」
相葉は手に持っていたファンからの質問の用紙をテーブルに置くと、大きくため息をついた。
「翔ちゃんは分かってないなあ」
「何がだよ」
「あのね、俺はにののことが好きなんだよ?その俺がにのになっちゃたら、にのはどこ行っちゃうの?俺の好きなのはにのであって、俺がにのになっちゃったら、その時点でもう俺の好きなにのじゃないでしょ?」
分かる?と、櫻井を見つめ相葉は首を傾げる。
「俺はね、いつでもにののそばにいたいんだ。一緒にいたいんだよ。俺がにのになったら一緒にいられないでしょ?近づきたいとは思うけど、にのになりたいわけじゃないんだ」
そう言って相葉は綺麗に笑った。その笑みは全面の信頼を置く人に見せるそれと同じで、櫻井の胸を熱くさせた。
「ニノが憎いなあ」
「ん?なに?」
櫻井の呟きはまたもや相葉には聞こえなかったようだ。
「いや、そういう考え方もあるんだなって感心してたの。相葉ちゃんも考えてないようで、いろいろ考えてんだなって」
「なんだよ、それぇ。俺だって考えてるよ」
今度は困ったように眉を下げて相葉が笑う。
「あっ、でも、俺が違う人になっちゃたら俺じゃない‘俺’のことをにのは好きになっちゃうのか・・・・やっぱダメ!俺は俺が良い!!」
首をぶんぶんと振って必死に訂正する相葉に櫻井は苦笑する。
櫻井は密かに相葉に好意を持っていた。奪おうとまでは思わなかったが、そうなったら良いのにと思うことはあった。しかし、二人の間に入る隙なんて全くないのだと相葉に言われた気がした。
「あ、そうだ。ところで翔ちゃんは?」
「あ?」
「翔ちゃんは誰になりたいの?」
相葉は興味津々に身を乗り出して聞いてくる。
「俺?そうだなあ、俺も・・・俺でいいや」
「あ、ずりい、翔ちゃんの真似っこ」
期待はずれの答えに相葉は頬を膨らませた。
「ははっ。ホントはね、好きな人の‘好きな人に’なりたかったんだけど、やめた」
「なんで?」
「だって俺が好きな人の‘好きな人に’なったら、その時点で好きな人の‘好きな人’じゃなくなっちゃうんだろ?そしたら意味なくね?」
「好きな人の‘好きな人が’翔ちゃんになったら、好きな人の‘好きな人は’・・・・・あ~っ、もうわかんねえよっ!!ややこしいっ!」
指を立てて考えていた相葉だったが、途中で分からなくなったらしく頭をクシャっと掻いた。
「何でだよっ。お前が言い出したんだろ?分かれよ!!」
笑いながらツッこむと、余計に相葉はムキになった。
「うるさいっ。翔ちゃんなんて、ちょっと頭が良いからってばかにしやがって」
「してねえよ。つーか、さっきは頭良いから俺になりたいって言ってたくせに」
「やめたって言ったじゃん!翔ちゃんのばかっ!」
「なにやってんですか?あんたたちは。外まで聞こえてますけど」
撮影を終えた二宮が呆れた様子で入ってきた。
「あ、にの。おかえりぃ」
「はい、ただいま。で、あんた次の質問決まったの?」
「あーっ!!そうだよっ質問!!もう、翔ちゃんが邪魔するからぁ!」
「俺のせいかよっ!」
相葉は喚きながらも、先ほどまで行っていた作業に取り掛かる。それを二宮と櫻井は眺めていた。
「ところで翔君。さっきは何話してたんですか?」
楽屋に帰ってきてから、ずっと気になっていた事を二宮は聞いた。
「あ?あー、お前らの惚気を聞かされてたんだよ」
「惚気?」
「ニノはさ、自分以外の誰かになれるとしたら誰になりたい?」
「自分以外の?」
二宮は少し考えた後にきっぱりと答えた。
「俺は誰にもなりたくないな。」
「何で?」
「だって俺が俺じゃなくなったら、あの人誰が面倒見んのよ」
俺以外には無理でしょ?と自信に満ちた表情で答えた。それを聞いた櫻井は笑いがこみ上げてきた。
「あははっ。ホントあんたらバカップルだね!!」
「何笑ってんですか、急に」
怖いよ翔君と、二宮が訝しげに問う。
「だって、二人して同じ事言ってっからさ、もう相思相愛ってこの事だなーと思って」
櫻井の言葉に二宮は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに不敵に笑って見せた。
「当然でしょう」
「うひゃひゃひゃっ!ねえ、にのっ、にの!見て見て!これ超傑作!!」
「はいはい、何ですか?んははっ!!この質問は使えないだろ」
呼ばれて相葉の元へと行った二宮は、相葉と一緒に笑い転げている。櫻井は小さくため息をついて二人を見遣る。
「翔ちゃんもおいで~。見てよっ、面白いから」
しばらく二人の姿を見つめていた櫻井は相葉の呼びかけに晴れやかに笑って彼らの元へ向った。
おわり
その中で相葉は自分の仕切りコーナーであるファンからの質問選びをしていた。
「うーん、これは話が広がんないよなあ」
「いい質問あった?」
「んあ?翔ちゃんお疲れぇ」
撮影を終えて戻ってきた櫻井が相葉に声をかけた。
「いっぱいあんなあ。選ぶの大変じゃね?」
「んー、でも見てると楽しいよ。いろんな質問あってさ」
「ふーん。どれどれ・・・『嵐の中で一番喧嘩が強いのは?』って喧嘩したことねえしなあ」
「これは?『自分以外の誰かになれるとしたら、なりたいのは誰?』だって」
「ありがちじゃね?」
「そっかなあ?そうだねー。」
と、相葉はまた質問に目を通し始める。櫻井は不意に興味が湧いてきた。相葉が誰になりたいと思っているのか。
「ちなみにさー、相葉ちゃんは誰になりたい?」
「なにがぁ?」
「だから、誰かになれるとしたら、誰?」
「んー?そうだな~。翔ちゃんかな?」
「え?俺?」
「うん。だって頭良いし、顔もカッコいいもん」
面と向って言われて、櫻井は頬を赤らめる。
「あーでも、ヘタレと筋肉はヤだなあ」
「おいっ!!」
上げといて落とす相葉に、櫻井はヘコむなあそれ、と呟いた。そんな言葉は聞こえていないのか、相葉は更に考え込んでいる。
「んー、やっぱり松潤かなあ。でも顔濃いしなー。キャプテンがいいかなあ。歌も踊りも超うまいし。」
「お前、メンバー限定かよ」
つっこみを入れた櫻井だったが、そこまで聞いて櫻井は疑問に思った。
「なあ相葉ちゃん。ニノは?ニノにはなりたくないの?」
相葉と二宮は恋人同士だ。時にウザイほどのバカップルぶりを見せ付けられている櫻井としては、相葉の口からニノが出てこない事が不思議だった。
「なに言ってんの翔ちゃん。にのになんてなりたいわけないでしょ」
相葉は目を真ん丸く見開いて、櫻井を見遣った。
「だってコイビトでしょ?ニノのこと好きなんじゃねえの?」
「好きに決まってんじゃん」
「好きな人になりたいとは思わねえの?」
「翔ちゃん、ばかじゃないの?」
バカ呼ばわりされて櫻井は少しムッとしながらも続ける。
「バカって、バカは言いすぎだろうよ・・・。でも何でニノにはなりたくないんだよ?普通好きな人になりたいって思うだろ?」
相葉は手に持っていたファンからの質問の用紙をテーブルに置くと、大きくため息をついた。
「翔ちゃんは分かってないなあ」
「何がだよ」
「あのね、俺はにののことが好きなんだよ?その俺がにのになっちゃたら、にのはどこ行っちゃうの?俺の好きなのはにのであって、俺がにのになっちゃったら、その時点でもう俺の好きなにのじゃないでしょ?」
分かる?と、櫻井を見つめ相葉は首を傾げる。
「俺はね、いつでもにののそばにいたいんだ。一緒にいたいんだよ。俺がにのになったら一緒にいられないでしょ?近づきたいとは思うけど、にのになりたいわけじゃないんだ」
そう言って相葉は綺麗に笑った。その笑みは全面の信頼を置く人に見せるそれと同じで、櫻井の胸を熱くさせた。
「ニノが憎いなあ」
「ん?なに?」
櫻井の呟きはまたもや相葉には聞こえなかったようだ。
「いや、そういう考え方もあるんだなって感心してたの。相葉ちゃんも考えてないようで、いろいろ考えてんだなって」
「なんだよ、それぇ。俺だって考えてるよ」
今度は困ったように眉を下げて相葉が笑う。
「あっ、でも、俺が違う人になっちゃたら俺じゃない‘俺’のことをにのは好きになっちゃうのか・・・・やっぱダメ!俺は俺が良い!!」
首をぶんぶんと振って必死に訂正する相葉に櫻井は苦笑する。
櫻井は密かに相葉に好意を持っていた。奪おうとまでは思わなかったが、そうなったら良いのにと思うことはあった。しかし、二人の間に入る隙なんて全くないのだと相葉に言われた気がした。
「あ、そうだ。ところで翔ちゃんは?」
「あ?」
「翔ちゃんは誰になりたいの?」
相葉は興味津々に身を乗り出して聞いてくる。
「俺?そうだなあ、俺も・・・俺でいいや」
「あ、ずりい、翔ちゃんの真似っこ」
期待はずれの答えに相葉は頬を膨らませた。
「ははっ。ホントはね、好きな人の‘好きな人に’なりたかったんだけど、やめた」
「なんで?」
「だって俺が好きな人の‘好きな人に’なったら、その時点で好きな人の‘好きな人’じゃなくなっちゃうんだろ?そしたら意味なくね?」
「好きな人の‘好きな人が’翔ちゃんになったら、好きな人の‘好きな人は’・・・・・あ~っ、もうわかんねえよっ!!ややこしいっ!」
指を立てて考えていた相葉だったが、途中で分からなくなったらしく頭をクシャっと掻いた。
「何でだよっ。お前が言い出したんだろ?分かれよ!!」
笑いながらツッこむと、余計に相葉はムキになった。
「うるさいっ。翔ちゃんなんて、ちょっと頭が良いからってばかにしやがって」
「してねえよ。つーか、さっきは頭良いから俺になりたいって言ってたくせに」
「やめたって言ったじゃん!翔ちゃんのばかっ!」
「なにやってんですか?あんたたちは。外まで聞こえてますけど」
撮影を終えた二宮が呆れた様子で入ってきた。
「あ、にの。おかえりぃ」
「はい、ただいま。で、あんた次の質問決まったの?」
「あーっ!!そうだよっ質問!!もう、翔ちゃんが邪魔するからぁ!」
「俺のせいかよっ!」
相葉は喚きながらも、先ほどまで行っていた作業に取り掛かる。それを二宮と櫻井は眺めていた。
「ところで翔君。さっきは何話してたんですか?」
楽屋に帰ってきてから、ずっと気になっていた事を二宮は聞いた。
「あ?あー、お前らの惚気を聞かされてたんだよ」
「惚気?」
「ニノはさ、自分以外の誰かになれるとしたら誰になりたい?」
「自分以外の?」
二宮は少し考えた後にきっぱりと答えた。
「俺は誰にもなりたくないな。」
「何で?」
「だって俺が俺じゃなくなったら、あの人誰が面倒見んのよ」
俺以外には無理でしょ?と自信に満ちた表情で答えた。それを聞いた櫻井は笑いがこみ上げてきた。
「あははっ。ホントあんたらバカップルだね!!」
「何笑ってんですか、急に」
怖いよ翔君と、二宮が訝しげに問う。
「だって、二人して同じ事言ってっからさ、もう相思相愛ってこの事だなーと思って」
櫻井の言葉に二宮は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに不敵に笑って見せた。
「当然でしょう」
「うひゃひゃひゃっ!ねえ、にのっ、にの!見て見て!これ超傑作!!」
「はいはい、何ですか?んははっ!!この質問は使えないだろ」
呼ばれて相葉の元へと行った二宮は、相葉と一緒に笑い転げている。櫻井は小さくため息をついて二人を見遣る。
「翔ちゃんもおいで~。見てよっ、面白いから」
しばらく二人の姿を見つめていた櫻井は相葉の呼びかけに晴れやかに笑って彼らの元へ向った。
おわり
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