小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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「にののばかっ!もう知らないっ!」
叫び声とともに楽屋から相葉が飛び出していく。その後姿を見つめていた二宮はため息をついた。
「まったく。人の話は最後まで聞きなさいっての」
ひとり呟いても相手に聞こえるわけはなく、今しがた勢いよく閉められたドアを眺め、もう一度深く息を吐き出した。
その直後、松本と大野が楽屋へやってきた。
「おはよう。おい、ニノ。相葉ちゃんどうしたんだよ。すっげえ喚きながら走ってったぞ。ケンカか?」
楽屋のドアを開けたまま松本が問う。松本の視線は廊下の先・・・おそらく相葉が走り去った方向だろう。
「ちょっとね・・・。なんて言ってた?」
「『にののバカ、アホ、まぬけ、あんぽんたん、おたんこなすっ』って」
「潤君・・・言いますねえ」
「俺じゃねえよ。相葉ちゃんが走りながら喚いてたんだよ」
な?と同意を求めるように隣にいる大野を見た。
「うん、すげかったよ。ニノ何したの?」
「たいした事じゃないんだけどね・・・」
二宮が口を開こうかという時に、二宮の言葉を遮るように櫻井が慌てて楽屋へとやって来た。
「おい、ニノ。相葉ちゃんどうしたんだよ?かなりの勢いで走ってったぞ。すっげえ叫んでたけど」
話の腰を折られた形の二宮は不機嫌になりつつ、答える。
「・・・・何言ってました?」
「確か・・・『にののすっとこどっこい、いかれぽんち、とーへんぼく、変態エロ犬っ・・・とか』」
「翔君・・・言ってくれるじゃん・・・」
櫻井の言葉に目を細め、幾分声も低くなる二宮。
「お、俺が言ったわけじゃねえよっ。相葉ちゃんが言ったんだよ!なあ?」
二宮の様子の変化に、櫻井は焦って他の2人に助けを求める。そんな櫻井に呆れた視線を送りながら、松本は途切れた話の続きを促す。
「で、何したんだよ?」
「ん?ああ・・・」
昨夜を共に過ごした二宮と相葉は、一緒に仕事場へと来ていた。楽屋へ着くなり、ゲームを始めた二宮に不満顔を見せつつ、相葉はテレビの映画特集を見ていた。
今回特集されていたのは、公開が間近に迫った、R15指定の大人の純愛と言われている映画だ。かなり過激なシーンが多いと言われている映画の特集を食い入るように見ている相葉。それを横目で見ながら、俺たちのほうが激しいかな?と二宮はほくそ笑む。
そして、その映画のワンシーンが流れたとき、相葉の背筋がピンッと伸びた。今までにも増して興味津々の相葉。そのシーンは主演女優が、相手の男性にこう語りかけていた。
『私のために、あなたは死ねますか?』
うっとりと画面を見つめている相葉に、二宮は嫌な予感を覚えた。
「ねえ、にの」
「はい・・・何ですか?」
「にのは俺のこと、すき?」
「好きですよ」
「あいしてる?」
「愛してます」
くりくりの眼をきらきらさせて、相葉は期待に満ちた表情で二宮を見つめる。その表情を可愛いと思いながらも、二宮はまたか、と呆れていた。
相葉はすぐに影響を受ける。以前も、世間の奥様方を虜にした韓国ドラマを見て、しばらく二宮はメガネを外させてもらえなかったのだ。
まあ、そんなところもひっくるめて、愛しているから仕方がないのだが。さすがにマフラーと、カズ様と呼ばれることだけは必死で拒否した。
「ねぇ、じゃあ・・・」
「ちょっと待って」
二宮はこれから続くであろう相葉の言葉を考え、それを遮った。
「なに?」
「あなたが言いたいことなんて、だいたい見当つきます。言っときますけど、俺はあなたのためには死ねませんよ?」
「・・・なんで?俺がきらいなの?」
相葉の声のトーンが落ちる。
「だから、好きって言ってるでしょ?」
「だったら・・・」
「でも、あなたの為には死ねません」
きっぱりと言い放った言葉に、相葉の顔がみるみる歪んでいく。
「何だよっ!にのはホントは俺のことすきじゃないんだ!だからそんなこと言うんだっ!」
「ちょっ、落ち着きなさいって。そうじゃなくて・・・」
「もういいっ。にののばかっ!もう知らないっ!」
「で、今に至ると・・・?」
腕を組んで松本が問う。
「はい」
「それは、お前が悪いんじゃねえの?」
「うん。おいらもニノが悪いと思う」
二宮の話を聞いた3人は二宮を責める。
「だから、そうじゃないんだって・・・話にはまだ続きがあってですね・・・」
「それはそうと、追いかけなくていいの?」
またまた話の腰を折る櫻井を二宮は睨みつけるが、怯んだ櫻井に気を良くし、すぐにいつもの顔に戻る。
「相葉さんですか?良いんです」
二宮は出て行った相葉のことは追いかけないと、きっぱり言う。
「良いって・・・相葉ちゃんのこと心配じゃないの?」
「心配ですけど・・・たぶん、もう戻ってくるころじゃないかな?」
という二宮の言葉どおり、楽屋のドアを勢い良く開けて相葉が入ってきた。
「なんで、追っかけてこないんだよっ、ばかにの!!」
ね?と得意げに笑って見せる。
「はいはい、すいませんね。追いかけなくて。寂しくなっちゃって戻ってきたんでしょ?」
「ちっ、ちげーよ!!んなワケねーだろ!なに言っちゃってんだよ。まったく、にのはおばかの、わからんちんだね!」
「どーせ、俺はバカでおたんこなすな変態エロ犬ですからね」
「うっ。そ、そこまで言ってねえだろ」
「言ったでしょ?走りながら」
俯いて「言ったかも知んないけど・・・いや言ってないよ。ってか、なんで知ってんだよ」などと呟いている。
「相葉さん、おいで」
二宮は自分の前にある椅子をポンッと叩いて相葉を呼ぶ。
「なっ!まだ俺は許してないんだからな!にのなんて・・・」
「いいから、来い」
二宮の口調が変わったことに相葉の体がビクッと跳ねる。そして、ためらいながらも恐る恐る二宮の前まで進んだ。
「座って」
こういう時の二宮には逆らわない方が良いと、相葉は素直に従う。前に反抗し続けたとき、ひどい目にあったのだ。怒ってるのは自分の方なのにと納得はいかなかったが。
「泣いたの?」
目の前の相葉の頬を両手で挟みこんで、見つめながら涙の跡を指でそっとなぞる。
「泣いてねえよ」
「んふふ、嘘つき。あんたね、人の話は最後まで聞きなさいっていつも言ってるでしょ?」
二宮は、優しく諭すように話しかける。
「にのが悪いんだ・・・にのが俺のことすきじゃないって言うからぁ」
「言ってないでしょ。今から説明するからちゃんと聞きなさいよ?いい?」
顔を固定され二宮から目を離せない相葉は弱々しく頷いた。
「俺は、あなたの為には死ねません」
瞬間、相葉の潤みがちの瞳に一気に涙が溜まる。唇を噛み締めて泣くまいと必死に耐えている相葉の頬を、二宮は愛しそうに撫でる。
「ここからが大事。だって俺が死んだら、あんたどうする?生きて行けんの?」
「やだっ!俺も死ぬ!!」
考える間もなく、相葉が答えた。二宮がいない世界など、相葉には考えられない。その答えにやっぱりと、二宮は口の端を吊り上げる。
「そう言うと思った。だからあんたの為には死ねないんだよ」
「にの?」
首を傾げながら、依然、潤んだ瞳で二宮を見る。
「俺があんたの為だと思って、この身を滅ぼしても、あんたが後を追って死んじゃったら、俺がしたことって、意味ないでしょうが」
相葉の顔を挟む手に力を込めた。
「ににょ・・いひゃい・・・」
「俺はあんたの為なら、命を捨てられるよ。でも、あんたには生きていて欲しい。だからこそあんたの為に、俺は生きなくちゃなんないの」
二宮は、だから俺はあんたの為には死ねないんだよ、分かった?と額をくっつける。相葉の潤んでいた瞳は耐え切れなくなったのか、ついに大粒の雫を落とし始めた。
「うぇっ・・にぃのぉ・・・・ごめんねぇ。」
相葉は二宮にぎゅっと抱きついて何度も謝る。
「分かってくれたなら、もう良いよ。ほら、早く泣き止まないと、ひどい顔になるよ」
抱きついていた相葉を離すと、瞼にキスを落とし、そのまま涙を唇で拭う。
「うん・・・。にの、だいすきっ!」
「俺も、愛してます。」
完全に2人の世界に入って、存在を忘れられている事に、他の3人は呆れた。
「結局、相葉ちゃんの早とちりかよ・・・」
松本がため息混じりに言う。
「でも、ニノももう少しストレートに言えないのか?相手は相葉ちゃんだぜ?」
櫻井は、上手くまとまった事にホッとしながらも二宮の回りくどい言い回しに苦笑する。
「ねえ、そろそろ止めたほうが良いかも」
相葉と二宮をじっと見守っていた大野の声に他の2人もそちらを見やる。そこには、今にも事を始めてしまいそうな状態の二宮と相葉。すでに相葉の服は肌蹴ている。
「う・・・んぁ・・にぃ・・・のぉ・・・・だっめ・・・んっ・・」
「んふふ、相葉さん、可愛いね」
「おいおいっ、公共の場では慎めよっ!」
櫻井のつっこみと、松本の無言の圧力に、二宮はしぶしぶ相葉を離す。
「良いとこなのに、邪魔しないでくださいよ」
「見たくねえよ、メンバーの濡れ場なんて」
二宮の憎まれ口に松本がつっこむ。
「俺は見たいぞ」
「キャプテンは黙ってろ」
今度は松本の圧力が大野にかかる。
「うひゃひゃっ、キャプテンのえっちぃ」
相葉も先ほどの涙はどこへやら、楽しそうに参加し始めた。
「何だよ、お前ら途中で止めんなよ。もっとやれえ」
「ぎゃははっ、智君まじ怖いんですけど!」
みんなの視線が大野に集中する中、二宮は相葉の耳元で囁いた。
「雅紀、愛してるよ。仕事が終わったら続き・・・してやるから」
「なっ・・・」
相葉が顔を真っ赤にして、他のメンバーにからかわれたのは言うまでもない。
おわり
叫び声とともに楽屋から相葉が飛び出していく。その後姿を見つめていた二宮はため息をついた。
「まったく。人の話は最後まで聞きなさいっての」
ひとり呟いても相手に聞こえるわけはなく、今しがた勢いよく閉められたドアを眺め、もう一度深く息を吐き出した。
その直後、松本と大野が楽屋へやってきた。
「おはよう。おい、ニノ。相葉ちゃんどうしたんだよ。すっげえ喚きながら走ってったぞ。ケンカか?」
楽屋のドアを開けたまま松本が問う。松本の視線は廊下の先・・・おそらく相葉が走り去った方向だろう。
「ちょっとね・・・。なんて言ってた?」
「『にののバカ、アホ、まぬけ、あんぽんたん、おたんこなすっ』って」
「潤君・・・言いますねえ」
「俺じゃねえよ。相葉ちゃんが走りながら喚いてたんだよ」
な?と同意を求めるように隣にいる大野を見た。
「うん、すげかったよ。ニノ何したの?」
「たいした事じゃないんだけどね・・・」
二宮が口を開こうかという時に、二宮の言葉を遮るように櫻井が慌てて楽屋へとやって来た。
「おい、ニノ。相葉ちゃんどうしたんだよ?かなりの勢いで走ってったぞ。すっげえ叫んでたけど」
話の腰を折られた形の二宮は不機嫌になりつつ、答える。
「・・・・何言ってました?」
「確か・・・『にののすっとこどっこい、いかれぽんち、とーへんぼく、変態エロ犬っ・・・とか』」
「翔君・・・言ってくれるじゃん・・・」
櫻井の言葉に目を細め、幾分声も低くなる二宮。
「お、俺が言ったわけじゃねえよっ。相葉ちゃんが言ったんだよ!なあ?」
二宮の様子の変化に、櫻井は焦って他の2人に助けを求める。そんな櫻井に呆れた視線を送りながら、松本は途切れた話の続きを促す。
「で、何したんだよ?」
「ん?ああ・・・」
昨夜を共に過ごした二宮と相葉は、一緒に仕事場へと来ていた。楽屋へ着くなり、ゲームを始めた二宮に不満顔を見せつつ、相葉はテレビの映画特集を見ていた。
今回特集されていたのは、公開が間近に迫った、R15指定の大人の純愛と言われている映画だ。かなり過激なシーンが多いと言われている映画の特集を食い入るように見ている相葉。それを横目で見ながら、俺たちのほうが激しいかな?と二宮はほくそ笑む。
そして、その映画のワンシーンが流れたとき、相葉の背筋がピンッと伸びた。今までにも増して興味津々の相葉。そのシーンは主演女優が、相手の男性にこう語りかけていた。
『私のために、あなたは死ねますか?』
うっとりと画面を見つめている相葉に、二宮は嫌な予感を覚えた。
「ねえ、にの」
「はい・・・何ですか?」
「にのは俺のこと、すき?」
「好きですよ」
「あいしてる?」
「愛してます」
くりくりの眼をきらきらさせて、相葉は期待に満ちた表情で二宮を見つめる。その表情を可愛いと思いながらも、二宮はまたか、と呆れていた。
相葉はすぐに影響を受ける。以前も、世間の奥様方を虜にした韓国ドラマを見て、しばらく二宮はメガネを外させてもらえなかったのだ。
まあ、そんなところもひっくるめて、愛しているから仕方がないのだが。さすがにマフラーと、カズ様と呼ばれることだけは必死で拒否した。
「ねぇ、じゃあ・・・」
「ちょっと待って」
二宮はこれから続くであろう相葉の言葉を考え、それを遮った。
「なに?」
「あなたが言いたいことなんて、だいたい見当つきます。言っときますけど、俺はあなたのためには死ねませんよ?」
「・・・なんで?俺がきらいなの?」
相葉の声のトーンが落ちる。
「だから、好きって言ってるでしょ?」
「だったら・・・」
「でも、あなたの為には死ねません」
きっぱりと言い放った言葉に、相葉の顔がみるみる歪んでいく。
「何だよっ!にのはホントは俺のことすきじゃないんだ!だからそんなこと言うんだっ!」
「ちょっ、落ち着きなさいって。そうじゃなくて・・・」
「もういいっ。にののばかっ!もう知らないっ!」
「で、今に至ると・・・?」
腕を組んで松本が問う。
「はい」
「それは、お前が悪いんじゃねえの?」
「うん。おいらもニノが悪いと思う」
二宮の話を聞いた3人は二宮を責める。
「だから、そうじゃないんだって・・・話にはまだ続きがあってですね・・・」
「それはそうと、追いかけなくていいの?」
またまた話の腰を折る櫻井を二宮は睨みつけるが、怯んだ櫻井に気を良くし、すぐにいつもの顔に戻る。
「相葉さんですか?良いんです」
二宮は出て行った相葉のことは追いかけないと、きっぱり言う。
「良いって・・・相葉ちゃんのこと心配じゃないの?」
「心配ですけど・・・たぶん、もう戻ってくるころじゃないかな?」
という二宮の言葉どおり、楽屋のドアを勢い良く開けて相葉が入ってきた。
「なんで、追っかけてこないんだよっ、ばかにの!!」
ね?と得意げに笑って見せる。
「はいはい、すいませんね。追いかけなくて。寂しくなっちゃって戻ってきたんでしょ?」
「ちっ、ちげーよ!!んなワケねーだろ!なに言っちゃってんだよ。まったく、にのはおばかの、わからんちんだね!」
「どーせ、俺はバカでおたんこなすな変態エロ犬ですからね」
「うっ。そ、そこまで言ってねえだろ」
「言ったでしょ?走りながら」
俯いて「言ったかも知んないけど・・・いや言ってないよ。ってか、なんで知ってんだよ」などと呟いている。
「相葉さん、おいで」
二宮は自分の前にある椅子をポンッと叩いて相葉を呼ぶ。
「なっ!まだ俺は許してないんだからな!にのなんて・・・」
「いいから、来い」
二宮の口調が変わったことに相葉の体がビクッと跳ねる。そして、ためらいながらも恐る恐る二宮の前まで進んだ。
「座って」
こういう時の二宮には逆らわない方が良いと、相葉は素直に従う。前に反抗し続けたとき、ひどい目にあったのだ。怒ってるのは自分の方なのにと納得はいかなかったが。
「泣いたの?」
目の前の相葉の頬を両手で挟みこんで、見つめながら涙の跡を指でそっとなぞる。
「泣いてねえよ」
「んふふ、嘘つき。あんたね、人の話は最後まで聞きなさいっていつも言ってるでしょ?」
二宮は、優しく諭すように話しかける。
「にのが悪いんだ・・・にのが俺のことすきじゃないって言うからぁ」
「言ってないでしょ。今から説明するからちゃんと聞きなさいよ?いい?」
顔を固定され二宮から目を離せない相葉は弱々しく頷いた。
「俺は、あなたの為には死ねません」
瞬間、相葉の潤みがちの瞳に一気に涙が溜まる。唇を噛み締めて泣くまいと必死に耐えている相葉の頬を、二宮は愛しそうに撫でる。
「ここからが大事。だって俺が死んだら、あんたどうする?生きて行けんの?」
「やだっ!俺も死ぬ!!」
考える間もなく、相葉が答えた。二宮がいない世界など、相葉には考えられない。その答えにやっぱりと、二宮は口の端を吊り上げる。
「そう言うと思った。だからあんたの為には死ねないんだよ」
「にの?」
首を傾げながら、依然、潤んだ瞳で二宮を見る。
「俺があんたの為だと思って、この身を滅ぼしても、あんたが後を追って死んじゃったら、俺がしたことって、意味ないでしょうが」
相葉の顔を挟む手に力を込めた。
「ににょ・・いひゃい・・・」
「俺はあんたの為なら、命を捨てられるよ。でも、あんたには生きていて欲しい。だからこそあんたの為に、俺は生きなくちゃなんないの」
二宮は、だから俺はあんたの為には死ねないんだよ、分かった?と額をくっつける。相葉の潤んでいた瞳は耐え切れなくなったのか、ついに大粒の雫を落とし始めた。
「うぇっ・・にぃのぉ・・・・ごめんねぇ。」
相葉は二宮にぎゅっと抱きついて何度も謝る。
「分かってくれたなら、もう良いよ。ほら、早く泣き止まないと、ひどい顔になるよ」
抱きついていた相葉を離すと、瞼にキスを落とし、そのまま涙を唇で拭う。
「うん・・・。にの、だいすきっ!」
「俺も、愛してます。」
完全に2人の世界に入って、存在を忘れられている事に、他の3人は呆れた。
「結局、相葉ちゃんの早とちりかよ・・・」
松本がため息混じりに言う。
「でも、ニノももう少しストレートに言えないのか?相手は相葉ちゃんだぜ?」
櫻井は、上手くまとまった事にホッとしながらも二宮の回りくどい言い回しに苦笑する。
「ねえ、そろそろ止めたほうが良いかも」
相葉と二宮をじっと見守っていた大野の声に他の2人もそちらを見やる。そこには、今にも事を始めてしまいそうな状態の二宮と相葉。すでに相葉の服は肌蹴ている。
「う・・・んぁ・・にぃ・・・のぉ・・・・だっめ・・・んっ・・」
「んふふ、相葉さん、可愛いね」
「おいおいっ、公共の場では慎めよっ!」
櫻井のつっこみと、松本の無言の圧力に、二宮はしぶしぶ相葉を離す。
「良いとこなのに、邪魔しないでくださいよ」
「見たくねえよ、メンバーの濡れ場なんて」
二宮の憎まれ口に松本がつっこむ。
「俺は見たいぞ」
「キャプテンは黙ってろ」
今度は松本の圧力が大野にかかる。
「うひゃひゃっ、キャプテンのえっちぃ」
相葉も先ほどの涙はどこへやら、楽しそうに参加し始めた。
「何だよ、お前ら途中で止めんなよ。もっとやれえ」
「ぎゃははっ、智君まじ怖いんですけど!」
みんなの視線が大野に集中する中、二宮は相葉の耳元で囁いた。
「雅紀、愛してるよ。仕事が終わったら続き・・・してやるから」
「なっ・・・」
相葉が顔を真っ赤にして、他のメンバーにからかわれたのは言うまでもない。
おわり
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