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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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「なに、これ?」
「何って、お土産」
 フランスとドイツに行ってきたでしょ?そんなこと知ってるよ。たった今「寂しかったよー、会いたかったよー」って、カンドーの再会ってやつをやったんだから。
「じゃなくて、何でこれがおみやげなの?」
 手に持っているものを目の前に掲げ、相葉は首を傾げた。
「んふふ、可愛いでしょ?選ぶのにすっごい迷ったの。だって、どれも相葉さんに似合うものばかりなんだもの」
 二宮は恍惚とした表情で言う。にのこわい・・・っていうか、選ぶのを迷う前に、これを買うこと自体を迷ってほしかったよ・・・。相葉は手元にあるそれを見て、ため息を吐いた。
「ねえ、松潤はなにもらったの?」
仕事が一緒だった松潤に聞いてみた。
「ニノのお土産?俺はアルコール。ワインとビールね」
やっぱり普通だ。あのお土産を渡した後、二宮はすぐに別の仕事に行ってしまい、結局理由を聞けなかった。
「何?相葉ちゃん。ニノのお土産が気になんの?」
「へ?あ、うん。まあね・・・」
 さっき翔ちゃんとキャプテンにも聞いてみた。翔ちゃんは日本では手に入らない、なんとかっていうアーティストのCDとDVD。(名前わすれた)キャプテンは自分で作れる彫刻のミニチュアキットだって。みんなそれなりなものなのに・・・なんで、おれはアレなの?ウケねらい?それとも・・・
「相葉ちゃんは?ニノに何もらったの?」
 考え込んでいた相葉を不審に思ったのか、松本が訊ねる。
「うん・・・じつはね・・・」
 これ、と松本の前に差し出したもの・・・・
「これって・・・」
 松本も一瞬、言葉を失ったようだ。
「これって・・・レッグガーター・・・だよな?」
「・・・そうみたい」
 キャプテンはヘアバンドって言ってたけど・・・。でもちがう。これは、レッグガーターだ。いわゆる、女性の下着。
「これがニノのお土産?」
「うん・・・」
 白いレース編みの真ん中に水色のサテン地のリボンが通してありリボンの結び目には白のシフォン地で立体的なフラワーが飾られている。それは、見た目にもとても上質なものと分かる。
「松潤、どう思う?」
 これって、ウケねらいなのかなあ?でも、あの時のにのからは、そんな空気は感じなかった。
「・・・なあ、相葉ちゃん。ニノがこれ贈った意味、知りたい?」
「松潤、わかるの?」
「まあね」
 不適に笑う松本。
「あのさ、これはね・・・」


 相葉は鏡の前に立ち、映る自分を見つめていた。
「うー・・・どうしよう・・・」
 手元には二宮からのお土産。仕事が終わり、相葉は待ち合わせをしていた二宮と共にホテルに来ていた。二宮はすでにシャワーを浴びて、部屋でゲームをしている。つまりは相葉待ちだ。その相葉は、シャワーを浴びたものの、悩んでいた。
 二宮からのお土産の意味。それを知った今、やっぱり付けるべきだと思う・・・・思うんだが。
「恥ずかしんだよぉ!」
 でも・・・・。もう一度、鏡の中の自分を見つめる。
 ・・・・よしっ!!
 相葉は一度顔をパンッと叩いて気合を入れた。
「相葉さん、遅かったね」
 待ちくたびれちゃったよ。言いながらバスローブ姿の相葉の手をとり、ベッドへと誘う。
「んふふ、相葉さんのぬくもり、久しぶりっ」
 相葉の首に顔をすり寄せる。
「ん、にの。くすぐったい」
「相葉さんのにおいがする」
 見つめ合い、どちらともなく唇を合わせる。それを深いものへと変化させながら、二宮は手を下へと滑らせた。バスローブの袷から手を差し入れ、相葉の太腿に触れて、撫で上げる。そこで、二宮の手が急に止まった。
「あいば・・さん?」
 驚いたように相葉の顔を見た後、二宮は勢いよく、バスロープを捲り上げた。
「ちょ、ちょっと、にのっ!!」
 いきなりの行為に相葉が大声を上げた。相葉の左の太腿には、二宮からのお土産があった。恥ずかしそうに足を閉じ、顔を真っ赤にして二宮を見上げる。
「にのの好みに・・なってる?」
「あいばさん・・・」
「あ、松潤にね聞いたの・・・フランス人は・・し、下着を贈るのが恋人の証だって・・」
 フランスでは自分の好みで下着を選ぶのではなく、相手が好むものを身につけるんだと。そして恋人は自分の好みの下着をプレゼントするのだ。言ってしまえば、俺好みに染まってくれ、ということだろうか。
「にぃの?」
 何も答えない二宮に、相葉は不安そうな顔をした。やっぱり似合わなかったかな?止めればよかった・・・・にのはウケねらいだったんだ。おれってば、すっごい勘違いしちゃっったのかな・・・。
「ごめっ・・・やっぱり外すね」
 相葉は泣きそうになりながら起き上がり、レッグガーターに手をかけた。その手を二宮が制する。
「なんで?」
「え?」
「なんで外しちゃうの?」
「だって・・・」
 そう言ったっきり、俯く相葉。
「すっごい似合ってる。俺ってセンス抜群じゃない?」
「にの・・・?」
 その言葉に相葉が顔を上げる。そこにはとびっきりの笑顔の二宮。
「ありがとうございます。付けてくれて」
 嬉しいよと相葉を抱きしめる。
「ホント?変じゃない?」
「うん・・・まさに俺好み。すっごい可愛い!」
 もともと相葉さんは俺好みなんだから、当たり前だけど。二宮の言葉に安心した相葉は、ふにゃりと笑った。そんな相葉を愛おしそうに眺め、レッグガーターのあたりを撫でながら、顔中にキスを落とす。
「ん・・ねえ、にの」
「んー?」
「おみやげ、ありがと。だいすき」
 二宮の唇を盗み、耳元で囁く。
「もっと、おれを・・・にの好みにしてください・・・」
「あいばさん・・・いいよ・・・今以上に俺色にしてあげる・・・」
 二宮は相葉の手を引き、一緒にベッドへと身を沈める。


「ねえ、相葉さん・・・」
「・・・なにぃ?」
 いつもより激しかった行為の余韻に浸っている相葉の頭を撫でながら二宮が言う。
「これね、さっき相葉さんが言ってたとおりの意味もあるんだけど、もうひとつこれには意味があるんだ」
 先ほどの行為中に二宮が外したレッグガーターを、相葉の目の前でヒラヒラと振ってみせる。
「もうひとつの意味?」
 相葉が不思議そうに二宮を見た。
「うん。これはね、花嫁さんがウエディングドレスの下に付けるの」
「え?」
 驚いたように目を見開く相葉。
「サムシング ブルーって言ってね、結婚するときに何か青いものを身に付けるとその花嫁は幸せになれるんだって」
 そして、身に付けるものとして、レッグガーターがあるんだよ。
「これ、付けちゃったんだから、もう相葉さんは俺の花嫁だね」
 愛しそうにレッグガーターに口付けた。
「にの・・・」
「んふふ、何泣いちゃってんの?感動しちゃった?」
 相葉の眼からは涙が溢れていた。
「泣いてねえよ・・・ばか・・・でも、だいすき」
 ありがとうと、相葉が二宮に抱きつく。それを受け止め、慈しむように見つめながら二宮は相葉の頭にキスを贈る。
「これからもずっと一緒にいようね。愛してるよ」
 俺の愛しい愛しい花嫁さん。

おわり?

~おまけ~

「相葉さん」
 幸せに浸りきっているおれに、にのがお願いがあると言ってきた。今なら何でも聞いちゃいそう、おれ。
「なに?」
「実はね・・・もうひとつ、お土産があってね・・・」
 えー!もうこれだけでも十分なのに、おれ幸せすぎて死んじゃいそうだよ。
「これ・・・なんだけど」
 そう言ってにのが取り出したものを見て、おれは言葉を失った。
「・・・・・・やだ」
「えーっ!!いいじゃん!ここまで来たらさ、これも着てよ!!」
 絶対、似合うから!と力説するにの。にのの手にあったのは、白いレース地のベビードール。すっげえスケスケだ。もう、さっきまであんなにカッコよかったのに・・・・今はただのエロ犬だ・・・まあ、それもにのらしいけど。
「ねえ、お願い!」
「いーやっ!!」
 断固拒否したおれだけど、にのに勝てるわけはなく、結局着るはめになった。それは・・・恥ずかしいから、もうおしまいっ!!

おわり
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