小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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3日振りに会った相葉さんは、絵に描いたようにボロボロだった。
『おやすみ3秒前』
「にの……ごめ…、少し、寝かせ…て……」
合鍵を使って部屋に入り込むなり、床に崩れ落ちた。さすがの二宮も驚いて、やりかけのテレビゲームをポーズにして、近づく。
しかし、その頃には既に微かな寝息が漏れていて。
「お~い……相葉さん?」
声を掛けても当然返事はなく、呼吸と共に上下する体を見下ろした。それ程までに疲れているのなら、部屋に帰ればいいのに。そう思いつつ、屈み込んでその体を揺すってみる。
「こんな所で寝んな」
返ってくるのは安らかな寝息ばかりで。焦れた二宮は軽く相葉の頭を叩いた。ぺしり、と気持ちいい音が響いたが、やはり相葉の反応はなく。
これは当分起きないな、と小さく息を吐いた。
何故ここまで。
首を傾げ、しかしすぐにその理由に思い当たる。数日前から、レギュラー番組の収録で海外に行っていた彼は、こっちの時間で今朝早くにロケを終え、帰ってきたはず。
「……寝ないで帰ってきた…?」
ふと、今朝方交わした電話の言葉を思い出した。嬉々として二宮に報告をする相葉に呆れたように、お前テンション上がりすぎ、と。
『だってだってにのに早くあいたいんだもん!だからスタッフさんとか、らいおんにも頼み込んで撮っちゃった!』
と、寝不足や疲れを微塵も感じさせず言ったのだ。掃除を疎かにされてキレたライオンに、背後かどっかから襲われないようにしろよ、と笑って返し、その時は終わったのだが。
ちらりと相葉に目を遣ると、髪は乱れ、珍しくうっすらと髭が生えている。恐らく相葉は二宮の為に、とそれこそ寝る間を惜しんで収録に励み、疲れた身体を叱咤しつつ帰ってきたのだろう。
二宮は呆れの混じった溜息を吐いた。誰もそこまでして帰ってこいとは言ってない。もちろんそれは相葉もわかっているのだろう。
ただ、自分がしたかったから。いつものように笑いながら、そう言うに違いない。
「馬鹿だな、お前」
呟いて、フローリングの上に転がって眠る相葉を見詰めた。床は冷えるし、体も痛くなる。せめてベッドには連れて行ってやるか、と思ったが、自分より大きい男を担いで運ぶというのは難しい。
しかも、相手は熟睡中。到底無理な話だ。仕方なく、毛布を引っ張り出して来て、その上に掛けてやる。いつか起きるだろう、と思いながら、ソファに戻ろうとして―――ふと、足を止めた。
暫く考え、クッションと(テレビゲームは無理だから)携帯ゲーム機を手に取って、相葉の所に戻る。壁際にクッションを置いて、そこに凭れ掛かるように座り込むと、相葉の頭を持ち上げて、自分の腿の上に乗せた。
相葉が今までどれだけ頼んでもしてもらえなかった、膝枕。起きたらどんな顔をするだろ、と考えると、少し楽しくなった。
「今日だけだかんな」
耳元でそっと囁き、ゲーム機の電源を付ける。
相葉が寝息の合間に幸せそうな笑みを漏らしたのを見て、二宮も微かに笑みを浮かべた。
『おやすみ3秒前』
「にの……ごめ…、少し、寝かせ…て……」
合鍵を使って部屋に入り込むなり、床に崩れ落ちた。さすがの二宮も驚いて、やりかけのテレビゲームをポーズにして、近づく。
しかし、その頃には既に微かな寝息が漏れていて。
「お~い……相葉さん?」
声を掛けても当然返事はなく、呼吸と共に上下する体を見下ろした。それ程までに疲れているのなら、部屋に帰ればいいのに。そう思いつつ、屈み込んでその体を揺すってみる。
「こんな所で寝んな」
返ってくるのは安らかな寝息ばかりで。焦れた二宮は軽く相葉の頭を叩いた。ぺしり、と気持ちいい音が響いたが、やはり相葉の反応はなく。
これは当分起きないな、と小さく息を吐いた。
何故ここまで。
首を傾げ、しかしすぐにその理由に思い当たる。数日前から、レギュラー番組の収録で海外に行っていた彼は、こっちの時間で今朝早くにロケを終え、帰ってきたはず。
「……寝ないで帰ってきた…?」
ふと、今朝方交わした電話の言葉を思い出した。嬉々として二宮に報告をする相葉に呆れたように、お前テンション上がりすぎ、と。
『だってだってにのに早くあいたいんだもん!だからスタッフさんとか、らいおんにも頼み込んで撮っちゃった!』
と、寝不足や疲れを微塵も感じさせず言ったのだ。掃除を疎かにされてキレたライオンに、背後かどっかから襲われないようにしろよ、と笑って返し、その時は終わったのだが。
ちらりと相葉に目を遣ると、髪は乱れ、珍しくうっすらと髭が生えている。恐らく相葉は二宮の為に、とそれこそ寝る間を惜しんで収録に励み、疲れた身体を叱咤しつつ帰ってきたのだろう。
二宮は呆れの混じった溜息を吐いた。誰もそこまでして帰ってこいとは言ってない。もちろんそれは相葉もわかっているのだろう。
ただ、自分がしたかったから。いつものように笑いながら、そう言うに違いない。
「馬鹿だな、お前」
呟いて、フローリングの上に転がって眠る相葉を見詰めた。床は冷えるし、体も痛くなる。せめてベッドには連れて行ってやるか、と思ったが、自分より大きい男を担いで運ぶというのは難しい。
しかも、相手は熟睡中。到底無理な話だ。仕方なく、毛布を引っ張り出して来て、その上に掛けてやる。いつか起きるだろう、と思いながら、ソファに戻ろうとして―――ふと、足を止めた。
暫く考え、クッションと(テレビゲームは無理だから)携帯ゲーム機を手に取って、相葉の所に戻る。壁際にクッションを置いて、そこに凭れ掛かるように座り込むと、相葉の頭を持ち上げて、自分の腿の上に乗せた。
相葉が今までどれだけ頼んでもしてもらえなかった、膝枕。起きたらどんな顔をするだろ、と考えると、少し楽しくなった。
「今日だけだかんな」
耳元でそっと囁き、ゲーム機の電源を付ける。
相葉が寝息の合間に幸せそうな笑みを漏らしたのを見て、二宮も微かに笑みを浮かべた。
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