小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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パリでお仕事中の二宮の元に1通のメールが届いた。その内容に二宮の表情が凍りつく。
時は2月14日。
******
「おはようございまーす・・・」
「・・・・・・」
番組収録のため、楽屋へやって来た櫻井は、空気の重さに中へ入るのをためらった。この押しつぶされそうな重い空気を作っているのは二宮だ。ただ黙々とゲームをしているのだが、放っているオーラがとてつもなく恐ろしい。
「なあ、なんかあった?あいつ、超怖いんだけど」
すでに来ていた松本と大野のところへ行き、小声で話しかける。
「さあ、来たときにはもうあんな感じだったよ」
「マジ?昨日帰国してきたんだよな、確か。海外で何かあったのか?」
「俺らに聞かないでよ。気になるんなら翔君聞いてみたら?」
「俺が聞くのかよー。怖ぇじゃん。松本さん聞いてくれよ。」
「何で俺が。気になってるのは翔君でしょ?それに、どうせ相葉ちゃんがらみでしょ?」
聞くだけ無駄だよと、2人は再び各々の時間を過ごし始めた。
「ちょ、まつもっさーん」
「・・・翔君うるさい。黙っててもらえませんか?」
鬱陶しい。二宮は櫻井を睨み付けた。
「俺だけ?つーか、何でそんなご機嫌悪いわけ?」
「・・・・べつに。翔君には全くもって関係ありませんから、気にしないで下さい」
随分含みのある言い方だ。ということは・・・俺が関係しているということか。自分は何をしたのかと必死に考える櫻井。そこへ元気良く相葉がやって来た。
「おっはよー。いやー遅刻寸前!!ちょー焦った!!」
独特の笑い声が楽屋中に響いている。この空気が気にならないのか、気づかないのか・・・。櫻井は二宮の反応を盗み見た。ゲームに視線を落としたまま相葉を見ようともしない。相葉も関係しているのか・・・。
「相葉ちゃんっ!」
「んあ?翔ちゃん、おはよー。なにぃ?」
「お前さあ、ニノに何かした?っていうか、俺が相葉ちゃんに何かした?」
「は?なに?翔ちゃんなに言ってんの?」
意味わかんない、と首を傾げる。
「だからさ、ニノがすっげえ不機嫌なんだよ。んで、それがどうも俺と相葉ちゃんのせいらしいって話」
「にのが?なんで不機嫌なの?なんでそれにおれと翔ちゃんが関係してんの?」
「それが分かんねえから聞いてんだよ。」
「ふーん・・・」
それだけ言うと、相葉は二宮に近づき後ろから抱きついた。
「にのぉ。おかえりぃ」
元気だった?ねぇ、元気だった?おれはねぇ、ちょー元気!!でもね・・・にのがいなかったから、さびしかったよー。
「・・・・・」
二宮を取り巻く空気が少し和らいだ。が、依然言葉を発しない二宮。相葉は気にした様子もなく抱きついたまま身体を左右に揺さぶった。
「くふふ、にのだ、にのがいるぅ」
「ちょ、相葉さんっ。危ないから止めなさいって」
文句を言いながらも、表情が緩んできている。
「ねぇ、にの。なんで機嫌悪いの?」
相葉が単刀直入に切り出した。
「・・・・・」
黙り込む二宮。
「おれ、なんかした?」
「・・・・・」
無言の二宮に相葉の顔が歪んだ。
「なんだよぉ、にののばかぁ。久しぶりに会ったのに、無視とかしやがってぇ」
にのはおれに会いたくなかったんだ。もうおれのことどうでもいいんだ。
「何でそこまで考えが飛躍すんの?あんたは」
相葉の思考がマイナスの方向に傾いてきたことに、焦った二宮は口を開いた。
「だってぇ・・・」
「分かったよ。俺が悪かったですね。会いたかったよ、相葉さん」
ようやく相葉と視線を合わせた二宮は正面から相葉を抱きしめた。
「えへへ・・・おれもぉ」
会いたかったと、猫がするように相葉は二宮に顔をすり付ける。二宮に穏やかな表情が戻った。
「・・・あのさ、取り込み中悪いんだけど、落ちついたところで聞いて良い?ニノ」
タイミングを見計らい、櫻井が二人の世界に割り込んだ。途端に不機嫌な顔になる二宮だが、気にせず続けた。
「不機嫌の理由は何だったの?」
「おれも気になる!なんで?」
相葉に詰め寄られ、また泣かれても困ると二宮は渋々話し始める。
「・・・・・チョコ」
「「へ?」」
二宮は2人と眼を合わせずに呟いた。
「ちょこ?」
不思議そうに首を傾げる相葉。
「翔君にあげたでしょ?」
ああ、不機嫌の理由は俺のメールか・・・・。櫻井には思い当たる事があったのだ。二宮がパリへ行っている間に、バレンタインという一大イベントがあった。当日、櫻井は相葉からチョコをもらっていた。それに浮かれた櫻井は、他の用事でメールを寄こした二宮に返信したのだ。もらったチョコの写真を付けて。どうやら、それが原因らしい。
「なんで、翔君にあげるの?あんたは俺のでしょ?」
しかも俺、もらってないんですけど。二宮は恨めしげに相葉を見る。
「ちょこ・・・あー、あれ!あれはね、もらったの。青木さんに」
「「は?」」
相葉の発言に二宮だけじゃなく、櫻井も間抜けな声をあげた。
「ちょうど、動物園の収録でね、レギュラーのみんながくれたんだよ」
青木さんに、ベッキーに、山瀬さんも。でもね、食べきれなくってさ。んで、その後に翔ちゃんに会ったからあげたの。おすそわけー。にっこりと無邪気に言う相葉に唖然とした二宮だが、突然笑い出した。
「んはは!そう、そういうことか。そうだよね、相葉さんが俺以外なんてありえないもんね」
ましてや翔君ごときになんてね、ありえない、ありえない。途端、上機嫌な二宮とがっくり項垂れた櫻井。正反対の2人の反応に相葉はついていけずに、きょとんとしている。
「にの?翔ちゃん?」
「んふふ、何でもないよ。そうだ、相葉さん今日終わったらウチくる?」
「いいの!?」
「もちろん!会えなかった時間を埋めましょうね!」
二宮が厭らしく笑った。
「うん!!・・・ねぇ、にの。ちょこ、欲しい?」
おれ、用意してない。相葉は嬉しそうに返事した後、少し表情を曇らせた。
「んー、別に。今日はもっと甘いもの、貰いますから」
「もっとあまいもの?」
相葉を抱き寄せ囁く。
「チョコより甘い相葉さんを・・・ね?」
「もう、にのったら」
はずかしいよぉ。・・・でも、うれしい!
「お返しは俺で良い?」
おでこをくっつけ、見つめ合う。
「もちろん!もったいないくらい!!」
あまいあまい、2人の間にはチョコレートは不要。
「あ、でもくれるんなら貰いますからね、チョコ」
「へ?」
(((結局、欲しいんじゃん)))
他メンバーは心の中でつっこまずにはいられなかった。そして、二宮のいないところで、相葉に絶対チョコをあげるべきだと忠告するメンバーだった。
おわり
時は2月14日。
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「おはようございまーす・・・」
「・・・・・・」
番組収録のため、楽屋へやって来た櫻井は、空気の重さに中へ入るのをためらった。この押しつぶされそうな重い空気を作っているのは二宮だ。ただ黙々とゲームをしているのだが、放っているオーラがとてつもなく恐ろしい。
「なあ、なんかあった?あいつ、超怖いんだけど」
すでに来ていた松本と大野のところへ行き、小声で話しかける。
「さあ、来たときにはもうあんな感じだったよ」
「マジ?昨日帰国してきたんだよな、確か。海外で何かあったのか?」
「俺らに聞かないでよ。気になるんなら翔君聞いてみたら?」
「俺が聞くのかよー。怖ぇじゃん。松本さん聞いてくれよ。」
「何で俺が。気になってるのは翔君でしょ?それに、どうせ相葉ちゃんがらみでしょ?」
聞くだけ無駄だよと、2人は再び各々の時間を過ごし始めた。
「ちょ、まつもっさーん」
「・・・翔君うるさい。黙っててもらえませんか?」
鬱陶しい。二宮は櫻井を睨み付けた。
「俺だけ?つーか、何でそんなご機嫌悪いわけ?」
「・・・・べつに。翔君には全くもって関係ありませんから、気にしないで下さい」
随分含みのある言い方だ。ということは・・・俺が関係しているということか。自分は何をしたのかと必死に考える櫻井。そこへ元気良く相葉がやって来た。
「おっはよー。いやー遅刻寸前!!ちょー焦った!!」
独特の笑い声が楽屋中に響いている。この空気が気にならないのか、気づかないのか・・・。櫻井は二宮の反応を盗み見た。ゲームに視線を落としたまま相葉を見ようともしない。相葉も関係しているのか・・・。
「相葉ちゃんっ!」
「んあ?翔ちゃん、おはよー。なにぃ?」
「お前さあ、ニノに何かした?っていうか、俺が相葉ちゃんに何かした?」
「は?なに?翔ちゃんなに言ってんの?」
意味わかんない、と首を傾げる。
「だからさ、ニノがすっげえ不機嫌なんだよ。んで、それがどうも俺と相葉ちゃんのせいらしいって話」
「にのが?なんで不機嫌なの?なんでそれにおれと翔ちゃんが関係してんの?」
「それが分かんねえから聞いてんだよ。」
「ふーん・・・」
それだけ言うと、相葉は二宮に近づき後ろから抱きついた。
「にのぉ。おかえりぃ」
元気だった?ねぇ、元気だった?おれはねぇ、ちょー元気!!でもね・・・にのがいなかったから、さびしかったよー。
「・・・・・」
二宮を取り巻く空気が少し和らいだ。が、依然言葉を発しない二宮。相葉は気にした様子もなく抱きついたまま身体を左右に揺さぶった。
「くふふ、にのだ、にのがいるぅ」
「ちょ、相葉さんっ。危ないから止めなさいって」
文句を言いながらも、表情が緩んできている。
「ねぇ、にの。なんで機嫌悪いの?」
相葉が単刀直入に切り出した。
「・・・・・」
黙り込む二宮。
「おれ、なんかした?」
「・・・・・」
無言の二宮に相葉の顔が歪んだ。
「なんだよぉ、にののばかぁ。久しぶりに会ったのに、無視とかしやがってぇ」
にのはおれに会いたくなかったんだ。もうおれのことどうでもいいんだ。
「何でそこまで考えが飛躍すんの?あんたは」
相葉の思考がマイナスの方向に傾いてきたことに、焦った二宮は口を開いた。
「だってぇ・・・」
「分かったよ。俺が悪かったですね。会いたかったよ、相葉さん」
ようやく相葉と視線を合わせた二宮は正面から相葉を抱きしめた。
「えへへ・・・おれもぉ」
会いたかったと、猫がするように相葉は二宮に顔をすり付ける。二宮に穏やかな表情が戻った。
「・・・あのさ、取り込み中悪いんだけど、落ちついたところで聞いて良い?ニノ」
タイミングを見計らい、櫻井が二人の世界に割り込んだ。途端に不機嫌な顔になる二宮だが、気にせず続けた。
「不機嫌の理由は何だったの?」
「おれも気になる!なんで?」
相葉に詰め寄られ、また泣かれても困ると二宮は渋々話し始める。
「・・・・・チョコ」
「「へ?」」
二宮は2人と眼を合わせずに呟いた。
「ちょこ?」
不思議そうに首を傾げる相葉。
「翔君にあげたでしょ?」
ああ、不機嫌の理由は俺のメールか・・・・。櫻井には思い当たる事があったのだ。二宮がパリへ行っている間に、バレンタインという一大イベントがあった。当日、櫻井は相葉からチョコをもらっていた。それに浮かれた櫻井は、他の用事でメールを寄こした二宮に返信したのだ。もらったチョコの写真を付けて。どうやら、それが原因らしい。
「なんで、翔君にあげるの?あんたは俺のでしょ?」
しかも俺、もらってないんですけど。二宮は恨めしげに相葉を見る。
「ちょこ・・・あー、あれ!あれはね、もらったの。青木さんに」
「「は?」」
相葉の発言に二宮だけじゃなく、櫻井も間抜けな声をあげた。
「ちょうど、動物園の収録でね、レギュラーのみんながくれたんだよ」
青木さんに、ベッキーに、山瀬さんも。でもね、食べきれなくってさ。んで、その後に翔ちゃんに会ったからあげたの。おすそわけー。にっこりと無邪気に言う相葉に唖然とした二宮だが、突然笑い出した。
「んはは!そう、そういうことか。そうだよね、相葉さんが俺以外なんてありえないもんね」
ましてや翔君ごときになんてね、ありえない、ありえない。途端、上機嫌な二宮とがっくり項垂れた櫻井。正反対の2人の反応に相葉はついていけずに、きょとんとしている。
「にの?翔ちゃん?」
「んふふ、何でもないよ。そうだ、相葉さん今日終わったらウチくる?」
「いいの!?」
「もちろん!会えなかった時間を埋めましょうね!」
二宮が厭らしく笑った。
「うん!!・・・ねぇ、にの。ちょこ、欲しい?」
おれ、用意してない。相葉は嬉しそうに返事した後、少し表情を曇らせた。
「んー、別に。今日はもっと甘いもの、貰いますから」
「もっとあまいもの?」
相葉を抱き寄せ囁く。
「チョコより甘い相葉さんを・・・ね?」
「もう、にのったら」
はずかしいよぉ。・・・でも、うれしい!
「お返しは俺で良い?」
おでこをくっつけ、見つめ合う。
「もちろん!もったいないくらい!!」
あまいあまい、2人の間にはチョコレートは不要。
「あ、でもくれるんなら貰いますからね、チョコ」
「へ?」
(((結局、欲しいんじゃん)))
他メンバーは心の中でつっこまずにはいられなかった。そして、二宮のいないところで、相葉に絶対チョコをあげるべきだと忠告するメンバーだった。
おわり
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