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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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[a Stray Boy-another side]







「・・・あれ」

相葉ちゃんの家に向かう途中のコンビニで、雑誌を立ち読みしている彼を見つけた。何してんだ?こんなとこで。

「相葉ちゃん」

「おー、マツジュン!」

「何してんの?」

「んー、家に何もなかったから買い出しにきた」

「こんな薄着で?」

「帰りは乗っけてもらおうと思ったからさぁ」

「けど俺がここ寄るとは限らないじゃん」

「そしたらケータイでさ・・・あれ、忘れちった。鍵もないや」

「バカ・・・」

「まっ、会えたからいーじゃん!結果オーライですよ」

相葉ちゃんがけたけた笑って、俺は反対にため息をついた。

「で?買うもんはそれで全部?」

「えーと・・・・・・あ!ユウのコーラ・・・」

「へぇ、ユウ君いるんだ?」

コーラのペットボトルを選別し始めた相葉ちゃんを肩から覗き込む。別にどれも同じだと思うけど。

「よっし。マツジュン何か買うものあんの?」

「ああ・・・コレ。」

彼が持っていたカゴに小さな箱を入れる。相葉ちゃんが呆れたような顔をした。

「ゴムかよ・・・」



清算を終えて財布につり銭をしまっている横から袋を持ち上げて車まで先に歩く。

「いつ使うの、それ」

「ん?ゴム?家でって思ってたんだけど・・・」

箱を取り出して見せ付けるようにくちづけると、相葉ちゃんの顔がひきつった。

「家にユウ君いるんじゃ、今しかないじゃん?」

「ばっ・・・」

相葉ちゃんが顔を真っ赤にして、口をぱくぱくさせてる。

「別に俺はいいよ?隣にユウ君いたって…相葉ちゃんが声我慢すればいいことだしね」

ぐっと唇を噛んで、相葉ちゃんが睨み付けてくる。そもそも根本的に『したくない』とは言わないんだね。

「どっちがいい?」

極上の笑みで問い掛けると、相葉ちゃんは消え入りそうな声で「・・・今」と答えた。




* ・ * ・ * ・ *




「・・・っ」

車中とはいえ、エンジンを入れていないひんやりとした空気に触れて、はだけさせた胸の突起が勃ち上がるのを目で楽しむ。

ドライバーズシートに座る俺の膝に乗せられた彼は、満足に抵抗もできずにそのままで俺から視線を逸らしていた。

ゆっくりと舌を伸ばして、薄っぺらいだけじゃない胸を嬲ると、肩を掴んでる彼の指が震えた。

相葉ちゃんが好んで使うボディソープの香りが鼻腔をくすぐる。そういえば風呂入ったって言ってたっけ。

「ちょ、・・・そこばっか・・・っ」

唾液に濡れて充血している胸を喘がせ、相葉ちゃんが身じろぎする。多分無意識なんだろうけど、俺のフトモモに腰を擦り寄せるさまに煽られる。

「・・・ねぇ」

服から取り出した相葉ちゃんのを握り込んで刺激しながら声をかけると、切なそうに閉じられていた目がうっすらと開いた。

「独りで入った?風呂。」

「・・・ユウと・・・」

「ふぅん」

じゃあ気付いたかな、あの鋭い弟くんは。

たまに相葉ちゃんちで顔を合わせる彼は、本能と野性の勘で生きてる兄とは正反対なくらい冴えてる。彼ならきっと、俺が相葉ちゃんにつけた印を全部見つけてるだろう。

以前風呂場で目が合った時に、茫然と立ち尽くしていたユウ君を思い出して、ちょっと笑った。

滲みだしてきた体液を掬って広げるみたいに塗り付けると、内腿が引きつれて俺を挟んだ。小さな水音がやけに大きく響く。

胸へのイタズラを続けながら、濡れた手をゆっくりと後ろに滑らせて双丘の奥をつついてみる。今はまだ頑ななソコは、僅かな刺激にも怯えるように窄まった。

こういう狭いトコでやる時は、オンナノコみたいに勝手に濡れないのがちょっと面倒。

だったらこんなトコですんな!って怒られそうだけどね。

横になれるなら引っ繰り返して腰上げさせて舐めて解すのになあ。

相葉ちゃん的にはそれは最高に恥ずかしいコトらしいんだけど、でも実は凄く好きってことも知ってたりする。この人、自分で思ってるよりMだから。

堪えきれない声で鳴いて腰を震わせる相葉ちゃんが脳裏に浮かんで、下腹部に熱が集まるのがわかった。肌とかピンクに染まって吸い付くみたいで、たまんないんだよね。

「っ・・・」

とか何とか考えながら後ろを指の腹で撫でていたら、いきなり相葉ちゃんに耳たぶを噛まれた。

「ってー・・・」

「考え事すんな」

あら、バレてたんだ?

相葉ちゃんが拗ねた表情で見下ろしてくる。

「相葉ちゃんのこと考えてたんだけど」

「・・・嘘つけ」

「本当だって。ウシロ舐めてあげるといい声出 「わーっっ!!」

相葉ちゃんがあわてて俺の口を塞ぐ。別に聞いてる人なんて誰もいないよ?

「・・・・・・でもさ、それだって」

言葉を止められたままで、相葉ちゃんが小さく漏らした声に耳を傾ける。

「オレじゃ、ないじゃん」

「―――・・・・・・・」

つまりそれって、今この場にいる自分じゃない自分に嫉妬してるってこと?

うわ・・・

「・・・マツジュン?」

何秒か停止してしまった俺の口から、相葉ちゃんが掌を外して覗き込んでくる。

「不意打ち・・・」

「え?」

不覚にも、純粋に可愛いと思ってしまったことは言えなくて、ぎゅっと抱き締めてみる。

相葉ちゃんは多分よくわかってないだろうに、それでも俺の頭をよしよしと撫でてくれた。


ごめん、ユウ君。

やっぱこの人は、もう返せない。





* ・ * ・ * ・ *





「っあ、ぁ・・・っ」

指を増やして奥を暴くみたいに広げると、無意識に腰が浮く。

逃げたがる身体を片腕で抱き込んで、こめかみにくちづけると首筋に頬を摺り寄せてきた。

「ま、つじゅん・・・」

舌足らずな声が俺を呼ぶ。欲しくて仕方ない時の、合図。

「何?」

相葉ちゃんの要求はわかってるけど、敢えて尋ねてみる。今の相葉ちゃんじゃ、睨まれたって怖くないよ。

「ちゃんと言って。」

自分でも気持ち悪いくらい優しい声で囁く。優しさの中に嗜虐心を込めて。

「・・・・・っ」

それでも黙ってる彼の中を指でちょっとだけ進むと、長い睫毛に引っかかっていた涙が一粒零れ落ちた。

「ほら・・・」

ぐちゅりと鳴らした音に耐え切れなくなったのか、相葉ちゃんは力の限り俺に抱きついて、それから湿った吐息とともに吐き出した。

「・・・も、ほしい・・・」

「んー、何が?」

そんなの口に出して言えるわけないだろバカっ!!

って言いたそうな目で、相葉ちゃんが睨みつけてくる。泣きそうに引き結ばれた唇が美味しそうだね。

「・・・・じゃあさ、言わなくてもいいから」

火照って熱い頬にキスを落として。

「つけてよ。相葉ちゃんが。」

箱から出してナヴィシートに放り投げておいた包みを拾って眼前に持ってくと、相葉ちゃんは諦めたように少し震える指でそれを受け取った。

相葉ちゃんがソレを俺に装着するのをただ見てるだけってのも何だったので、耳やら鎖骨やら尾骨やらにイタズラをしてみる。

「やっ、・・・やめ・・・」

俺の舌や指先が触れるたび、汗ばんだ身体が跳ねる。ちょっとの刺激でも勝手に快感に変換されるらしい。

それが自分の思考で処理しきれなくて、ぐずぐずと泣き出す彼が本当に可愛くて、俺は薄く笑った。

オトコって、かなりの割合が支配欲で出来てるんだよね。

屈服させて、自分のものにして、自分しか見てない瞳に酷く満足する。

今だってほら・・・・・・真っ赤に染まった目元が潤みきって俺を映すのに、どうしようもなく欲情している自分がいる。

僅かな気まぐれの愛撫に負けてしまいそうな指先を懸命に操って、どうにか相葉ちゃんは俺にゴムを着け終えた。

「入れるよ?」

ゆっくりゆっくり、相葉ちゃんに腰を下ろさせる。

眉を寄せて耐えるのははじめのうちだけで、一番幅のある部分を過ぎれば、俺のカタチに馴染んだ内部はしっとりと絡み付いてくる。

身体中のどこよりも熱い粘膜に包まれて、首の後ろのあたりが快感に疼いた。

「・・・痛くない?」

「へ・・・き・・・」

ふわりと笑って、相葉ちゃんがこつりと額に自分のそれを寄せてきた。

悦楽を得ようと多分無意識に揺れ始める相葉ちゃんの腰に合わせて、律動を大きくしてゆく。

されるままに俺にしがみついて鳴く相葉ちゃんは幼子のようで、それでいて怖いくらい艶麗だった。

「――――そういえば、鍵忘れたんだっけ?」

身体を揺さぶりながら世間話みたいに言うと、相葉ちゃんがきょとりとこちらを見る。

「ケータイも?」

「あ・・・っ、う、ん・・・」

「じゃあ・・・」

ゴムと一緒にシートに投げておいた自分のケータイを取り上げて、リダイヤルボタンを押す。

「あっ・・・」

相葉ちゃんが珍しく俺の思惑を察知して手を伸ばしたけど、俺はそれを巧みにかわしてやった。

「だめ、まつじゅ・・・ひ、ぁっ」

制止の声は、彼の好きな場所を抉った動作によってただの喘ぎ声に変わった。そうこうしているうちにも、呼び出し音が微かに響く。

やがて・・・

『・・・もしもし?』

狙い通り、聞こえてきたのはユウ君の声。

「もしもし?」

相葉ちゃんは、俺からケータイを取り上げることを諦めた代わりに、声が出ないように口元を手で覆っている。

『あー・・・あの、兄貴ケータイ家に忘れてったみたいなんだけど・・・』

「あぁ、うん、知ってるよ。今ここにいるから」

にっこり笑って言ってやる。ユウ君が息を呑むのが聞こえた。

「あと30分くらいしたら行くから、家の鍵開けておいてくれる?この人鍵も忘れたみたいだからさ」

相葉ちゃんが目だけで俺を睨んでるけど、それは俺のゾクゾク感を増大させただけだった。

「ほら、相葉ちゃんも何か喋る?」

手を口から無理やり外させる。

「いい、よっ、ばか・・・!っぁ」

手を振り払おうとして動いた弾みにどこかを擦られたのか、悪態をつきながら相葉ちゃんはびくりと震えた。

「あ、感じた?」

くっと咽喉で笑ってやる。ユウ君にも聞こえるように。

ちょうどそこで、相葉ちゃんが必死に伸ばした手でケータイを奪い取り、ばちんと閉じた。

あーあ、切れちゃった。

「・・に、やってんだよ・・・っ」

「聞かれちゃったねえ。二回目かな?」

「バカっ」

べしっと頭を叩かれた。だけどそれが弱い力なのは、自分を解放させてくれるのが俺しかいないってわかってるから。

「わかったわかった。もういじめないよ」


一緒に気持ちよくなろうか。





* ・ * ・ * ・ *





それから、散々相葉ちゃんに文句を言われながら車を運転して、彼の自宅に向かった。

電話で頼んでた通りに、ちゃんと鍵を開けて待っていた弟君は、さすが相葉ちゃんの弟だけあって優しいと思った。

俺がユウ君だったら絶対家に入れないけど。

俺が支えてた相葉ちゃんに触ろうとしたから、その手にコーラを押し付けてやった。

どこか恨めしそうにこちらを見ているユウ君に、目だけで笑って見せる。

幸せな相葉ちゃんは、俺らの見えない火花に全然気付かないで俺に凭れている。

一緒に風呂に入ろうかと提案したら、またバカと怒られた。照れ隠しだって、わかってるけどね。


幸せなキモチは他人に分けてあげたいって言うけど、このキモチはユウ君にはあげられないな、なんて思った。




end.
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