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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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間違っているのは、だあれ?




[トリプル・トリップ]






オカシイよね。

みんなみんな、間違ってるって言うんだ。



オレはただ、二人が好きなだけなのに。










遮光カーテンのスキマから、陽の光が零れてくる。

細い細い線を描くそれは、シーツの足元を横切って。

白い布の下で脚を動かすたびに、直線が歪んでオレを責めているみたいだった。

あの向こうのセカイは、オレたちを疎外する光に満ち溢れた空間だ。

大きなこの部屋は、淀んだ空気と噎せるような色の香で埋め尽くされた檻。

ぴちゃり。

灯りを落としている闇の中に響く水音。

絡めた舌と脚と指とで紡ぐのは、何モノをも生み出さない退廃的な行為であると、そんなことはオレたちが一番良く知ってることで。

ひび割れたモラルと埃の積もった固定観念で武装したヤツらに言われるまでもない。

   知らないくせに。

キモチとキモチがあるだけで、こんなにも気持ち良くなれるなんて、知らないくせに。

「・・・・・相葉さん」

静寂を継続するように耳朶に密かに滑り込んだ囁きにふるりと震える。

「な、に・・・」

悪戯に肌をくすぐる指に声を弾まされながらオレを見下ろしてくる顔を見上げると、起き抜けの重い瞼にキスが落ちた。

「寝ないでくださいよ」

「寝れねーよ・・・」

オレの強情な眠気が脳を夢へと戻そうとしたけれど、もう身体は良く知った愛撫に律儀に熱を返し始めている。

わかっているだろうに小言を言うさまが、ほんの少しだけ憎い。

かり、と目の前の顎に噛み付いてやると、お返しにと言わんばかりに手にした中心を引っ掛かれた。

「あっ、にの・・・」

背筋が疼いて思わずシーツを蹴る。光の線がまた歪んだ。

しぃ、とオレの唇に空いた方の指を当てて、ニノが額にくちづける。

「声出さないで。起きちゃうよ」

「だって・・・っぁ!」

出させてるのそっちじゃん、と批難しようと開けた唇は、ぐっと先端に押し込まれるようにされた指によって悲鳴を上げる羽目になった。

眠りに落ちる直前までどろどろに蕩かされていた体のそこここが、僅かな愛撫で花開くように熱を孕む。

息を呑むようにして抑えようとする声が、春を迎えた猫の鳴き声みたいで耳を塞ぎたかった。

「にの・・・・っ」

ゆるゆるとした動作は繰り返すくせになかなか決定打を与えてくれないニノが焦れったくって、縋るように腕を掴む。

ニノはそんなオレにふわりと微笑むと、煽り立てる掌に力を込めた。

「ぁ、あっ・・・」

意識が、原色のセカイを疾走する。

ふわふわしたトコロへダイブしていくような感覚だけが身体を支配して・・・・

「――――俺も混ぜてよ」

唐突に掛けられた低い声にびくりと身体を竦ませると、剥き出しの肩に優しいキスが落ちた。

「潤・・・」

「あーあ、相葉さんが声出すから起きちゃった」

ニノの些か残念そうな声音に苦笑した松潤の指がオレの前髪をさらりと梳く。

「ダメでしょ?」

俺抜きでキモチ良くなったりして。

耳元に刻み込まれるような、優しい優しい声。でもオレは、この声がどんなに甘くて残酷か知ってる。

ニノの指とくちづけ。

松潤の声と愛撫。

どっちも蜂蜜のような灼け付く甘さと痛みをくれて・・・・オレはいつだって理性の向こうのホンノウを引き摺り出されてしまう。

だけどそれはオレ自身が望んでることなんだって。こころのずうっと、奥底で。

「もうこんなになってるの?」

シーツを剥がれて剥き出しになったオレの身体を見下ろして、松潤が笑った。

恥ずかしさのあまり閉じようとした大腿を、ニノが掴んでとめる。

二人分の視線をソコに感じて、何もされていないのに蜜が溢れてゆくのが自分でもわかった。

「ゃ・・・・」

耐え切れなくて両腕で目元を覆うと、ふわりと空気が動く気配。

ちゅ、と可愛らしい音に反して身体を襲った衝撃に、びくりと震えて慌てて視界を晴らす。

目線の先では松潤の綺麗な唇が、オレのを包み込んでいた。

だめ、と力なく呟いた声は、その強い猫みたいな目に跳ね除けられる。

「だめは相葉さんの方だよ。ちゃんと見て」

ぐいっとニノが腕を掴んで、上体をベッドの上へ起こす。後ろから抱きかかえられて、目を閉じるなと優しい声で拘束された。

松潤が動くたびについさっき押し留められた欲望がせり上がってきて、頭の芯が軽く痺れる。

解放したくてねだるように髪をくしゃくしゃとすると、松潤が目だけで笑って、ゆるく歯を立てたまま頭を引いた。

痛みと気持ちよさがごちゃ混ぜになって出口に向けて疾走する。

高い声と共に放たれた絶頂の証が、松潤の頬を白濁で汚した。

「――――あーあ」

震えるようにして息を整えていると、ニノのからかうような声が聞こえた。

「どうすんの相葉さん?潤君の顔汚して。」

くすくすと愉しそうな笑い声が鼓膜に響く。

松潤の、白に汚れた肌をぼんやり眺めながらニノが言ったことを頭の中で繰り返そうとしたけれど、

つまびくみたいに胸元を弄る彼の指に思考が崩されていく。

それでも、ごめんなさい、と半ば無意識に小さく呟くと、にっこりと笑った松潤が音も無く間合いを詰めた。

「怒らないよ。・・・・・きれいにしてくれれば、ね」

きれいに・・・・。

松潤の、強い目線に引き寄せられるように彼を抱き寄せて、そっとその肌に舌を這わせる。

苦味が口腔に広がったけど、松潤が嬉しそうに笑うからこれはイイことなんだと思った。

暫く松潤の頬を『きれいに』していると、何だか腰の辺りがぞくぞくしてきた。いつもこうだ。

舌を絡めてキスをしたり、ニノや松潤に奉仕したりしていると、身体が疼いてくる。

舌もキモチイイトコロだからだって、ニノが言ってた。

「また元気になってきたね」

「ぁ!」

遠慮の無いニノの指が、勃ち上がりかけていたトコロを妙にゆっくりと撫でる。

ギターの弦を操る硬化した表皮が擦れて、思わず松潤の首に縋った。

「舐めるの大好きだから」

あやすみたいにオレの髪を撫でながら、松潤はそう言ってニノと笑い合う。

ニノの指が止まってくれなくて背筋がぞくぞくとするけれど、頑張って松潤についた液を全部舐め取る。

最後の一滴をちゅ、と吸い取ったら、いい子だと頭を撫でられた。



* * * * *



「ゃ・・・んっ」

押し広げられる感覚を、手繰り寄せた枕を抱き締めて耐える。

うつ伏せで腰だけを抱え上げられた、酷く恥ずかしい格好で、ニノの指がナカに入ってくる。

「解れてんじゃん」

背骨に沿ってキスを落としていた松潤が、ソコを覗き込みながら楽しそうに呟いた。

「ゆうべいっぱいしたもんね?・・・・ほら、オンナノコみたい」

蠢くニノの指を貪欲に喰い締めてるソコは、オレが息をする度に引き込むように動いて卑猥な音をシーツへと零した。

「とろとろだね、相葉さん」

「ぁ、あっ」

くちゅりという音が耳につく。枕を握り締めている手が白くなるのは、キモチイイせいだけじゃなくて。

「こっちもね」

松潤の手が、身体とシーツの間に入ってきて、リングに戒められて痛いくらい膨張しているソコに触れた。それだけで腰が震える。

「真っ赤になってる」

「や、くるし・・・・・」

ニノがどっからか買ってきたシリコン製のコレは、いっつもこうやってオレを苦しめるから嫌い。

でも・・・・

「でも、好きでしょ?」

ぐり、と先端に力を入れられて、目の前に火花が散る。松潤の手の中のものが、

体液をだらしなく零したのが自分でもわかった。ほらね、と耳元で囁かれる。

「ふふ、ニノ、もっとしてってさ」

「ヨダレ垂らしてる?」

「うん」

シーツの上で震える腰の下を覗いて、二人がくすくすと笑い合う。

「ねえ相葉さん、ほしい?」

ニノの声が、ふわふわと霞がかったように聞こえる。

なにを、くれるの・・・?

「ほし・・・・」

よくわからないまま何とか頷く。何でもいいから、出させて。楽にして。

「どっちがいい?」

  俺と、潤君と。

ニノの丸い指が、髪を撫でて耳介を掠める。左耳のピアスがちょっと引っ掛かって、それにすらオレは肩を竦ませた。

「どっち・・・?」

「そう、選んで?」

ニノと、松潤と・・・・・?

オレは、どっちも好きだよ。選ぶなんて。

「・・・・・・りょうほう・・・」

一瞬、空気が止まって。

それから、松潤が軽く噴き出した声でまたほどけた。

「・・・・欲張りだね」

低く笑った唇が、目尻にキスを落とす。

二人が、前と後ろどっちがいい?とか話してたけど、そんなのどうでもいいから早くコレをどうにかしてほしかった。

「相葉ちゃん、力抜いててね?」

松潤が、オレの頭を撫でてくれる。ふにゃふにゃになってるオレを、ニノが抱き起こして後ろ向きに抱きかかえた。

「んぁ・・・っあ―――・・」

柔らかくなっちゃってるナカの壁を押し広げて、ニノが入ってくる。自分の体重でずるりと奥まで達したのがわかったけど、痛みは無かった。

キモチイイ。気持ちいい。

胸の前にまわされてるニノの腕に縋り付いて、細く長く声を上げると、なだめるみたいにうなじにくちづけられる。

「脚、開いて」

松潤が囁く。頭で考えるよりも先に勝手に脚が開いて、繋がってる部分にニノが指を這わせた。

「や・・・にの」

それ以上触られたらおかしくなっちゃう。たたでさえイケなくてもどかしいのに。

「広げなきゃ痛いでしょ?それとも自分でやりたいの?」

力なくニノの手を引っ掻いたオレの指を軽く撫でて、優しく笑ったニノがぐっと両の親指を挿し入れた。

「――――ひっ」

視界が真っ白になるかと思った。束縛されているところがまた、雫を零す。

「力抜けって」

「や、ぁっ・・・・ゆるし、・・」

痛いのか気持ちいいのか、それすらもよくわからなくて、だけど粘膜が広げられてゆく未知の恐怖とリアルな感触に、そんなことを口走った。

オレは誰に赦しを請うているのだろう。


  はいるかな?

  大丈夫だよ。


そんな言葉を夢うつつのどこかで聞いて、その後は、意識が飛んだ。












女の子みたいな声が聞こえる。

泣いてる。――――鳴いてる。

下半身が、熱くてだるい。

思わず目の前の肩にしがみついたら、優しく髪を撫でられた。

「ァあ、あっ」

可愛いね、と背後から睦言を囁かれる。

ふわふわで、とろとろ。

そんな桃色の空間に浮いてるような感覚。

二つのカタマリが、ナカを掻き乱す。

否応無しに引き出される快感が、大きな波となって襲い来る絶頂が。

「ぁ・・・・に、のぉ・・・、っじゅん・・・」

ストロボに包まれた錯覚とともに、オレの何もかもを、攫っていった。



ニノも松潤も、だいすき。

ふたりとも、オレだけを見ていてくれるから。

ねえ。

ずっとずっと、三人でいようね。

この、熟れ切った果肉のような甘い甘い、檻の中で。










――――――それがオレの、しあわせ。










end.
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