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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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「は?懇親会?」
 相葉は瞬きした。目の前の二宮理事長の顔を見つめ返す。
「そうだ。教育委員会の池神さんが定例で開いている。今回の出席者を君にお願いしたいと、向こうからたっての頼みでな」
「一体、どうして……」
「何でも、先日の研究授業、なかなか良かったらしいじゃないか」
「あ、ああ」
 言われて思い出した。
 ITを効果的に使った授業ということで、一応あれこれ用意はしたが、ひょいと覗き込んだ二宮が「このままじゃ皆寝ちゃうよ」と苦笑しながら助言をくれて、結果的にはそれが評価された形となり、研究発表まで持っていくことができた。
 もちろん、最終チェックも二宮がざっと目を通してくれてのもの、情けないと思う反面、確かに二宮の指摘は的確で、自分一人で組んだ部分がかなり危うかったのが理解できた。
「何でも、それを出席者から聞かれたらしい。是非、君と話してみたいとおっしゃられてな」
「はい」
「池神さんは教育界に顔が広い。できれば学園としても親交を深めたかったから有り難い、是非出席してほしい」
「わかりました、それで……あの」
「うん?なんだ、何か用でもあるのか?確かに一泊だから授業に差し障りもあって心配だろうが」
「いえ、あの、その懇親会には生徒……や父兄の参加は」
「いや、教員だけだ」
「そうですか」
 相葉はほっと息を吐いた。
「わかりました。出席させて頂きます」
「よろしく頼むよ」
 少しの間だが、二宮の目から離れられる、そう思って相葉は気持ちが浮き立つのを感じた。
 池神が準備していたのは街から少し離れた料亭だった。
 もともとは近くにある海の絶景を楽しむための宿泊施設で、それでも最近はこんなひなびた光景を楽しむ旅行客も少なく、代わりに各種のイベントや研修会に大広間を貸すことで経営が成り立っているらしい。
「よし」
 割り当てられた部屋からは切り立った崖と白い波頭を砕けさせる海が見える。ゆったりとした波音が部屋まで響き、今夜一晩ここで眠れるのかと思うと、それだけで気持ちが安らいだ。
 懇親会も順調に済み、これからもよりよい授業を期待していますよ、と池神に言われて嬉しかった。ここしばらくずっと教師らしいことができていなかったのが、少し自分を取り戻したような気がする。
 風呂も済ませたし、後は眠るだけだなとカーテンを締め、浴衣の前を合わせたときに、引き戸がほとほとと鳴った。
「はい?」
「相葉君、まだ起きているかね」
「池神さん?」
 一瞬二宮がここまでやってきたのかと緊張したが、響いた穏やかな声に安堵する。
「はい」
「済まないが、さっき懇親会で頼もうと思っていたのだが」
 引き戸を開けると、池神もまた浴衣に薄い半天を羽織っていた。
「何でしょう」
「次の研究発表にも、君の研究授業を報告してくれないか」
「僕の、ですか………あ、どうぞ」
「すまない」
 はたと気づいて室内へ招き入れた。研究授業の発表は一学校一ケースと決まっている。次回は大野の授業が予定されていたはずだ。
「しかし、大野先生が」
「いや、大野君にはきちんとしてもらおう、その上で君にも……何だか喉が乾いたな」
「あ、お茶を入れます」
 部屋にあったポットで茶を入れた。特別扱いされる、それほどに評価されているのだと思って興奮してきて、自分にも茶を入れた。
「それであの……ああ、もう一度資料を見せてもらえるかね」
「はい」
 池神の促しに部屋の隅の鞄を開いた。懇親会で見せた資料と、今後予定している資料を出し、少し悩む。新しい資料はまだ二宮が目を通していない。ひょっとすると、相葉が気づかない大きなミスがあるかもしれない。不安になってそちらを片付け、既に見せた資料だけ持ってテーブルに戻った。
「これです」
「うむ」
 差し出した資料を池神が丹念に捲り始める。目の前で検分されるのは緊張するもので、温くなった茶を一気に飲み干した。
「なるほど、ところで」
 ちら、と池神が目を上げた。
「君は敏感な方かね」
「……は?」
 何が問われたのかわからずに瞬きする。
「すみません、何のこと……っ」
 何のことでしょう、そう言いかけた舌がもつれて、視界が揺らいだ。正座していた脚がぐにゃりと弛んでずるずる崩れそうになる。咄嗟にテーブルに手をついて堪えようとすると、その手をいきなり払われた。どさりと畳の上に転がってしまい、手をついて起き上がろうにも体に力が入らない。
「っ??」
「ふうむ、やっぱり敏感な方か、いや、そういう感じはしたが、用心のために多めには入れたんだ」
「な…に……っあ」
 ぐい、といきなり浴衣の襟を抜かれた。剥き出しになった肩をゆっくりと撫で回される。
「あ……あっ…??」
 ぞくりと鳥肌が立つような感覚が広がって相葉は混乱した。後ろへ回された手を引き抜かれた浴衣の紐で縛られる。そのままごろりと仰向けに転がされて、はだけられた胸に池神が口を落としてきた。
「あ、あ……うっ」
「ああ、やっぱり敏感だな」
「う、くぅっ」
 きり、と強く乳首を噛まれて跳ね上がる。そんな動きはできるのに、自分の意志で指さえ動かせず、しばらく好き放題に胸を齧られ吸いつかれた。腰の奥に覚えのある感覚が溜まり始める。切なく喘ぐ口から唾液がこぼれる。
「い……いけ……が、み……さ……っああっ!」
 いつの間にか晒されていた股間を強く揉みしだかれて、相葉は悲鳴を上げた。ぴりぴりと尖っていた神経をそのまま擦られるような、痛みに近い快感にきつく閉じた目から涙が吹き零れる。
「や……あ、あ、ああっ……っ」
「いい声をあげるんだな、君」
「ひ…いうっ」
 ずぶりと後ろに指が深く入り込み、相葉は首を振った。うねりながら進む指が次第に弱いところに近付いてくる。 
 二宮が何度も嬲って開発した、狂うような快感の場所へ。
「や……っい、…いや……あっ」
「なんだ、そうか、このあたりが弱いのか、君」
「あっ、あっ、あっ……っっぁああっ!」
 ぐい、と曲げられた指でまともにそこを擦られた。膨れ上がる股間が全てを教えて、池神がにまりと笑いながら指を引き抜く。
「あうっ」
「待ってろよ、今、もっといいものをやる」
「ひ……」
 背後に押し当てられたものは太く熱く固い感触、それが何かを察して相葉は掠れた声を上げてずり上がった。だが、その腰を池神の手が引き降ろす。
「う、くぅううっ」
「そんなきつく締めるな、初めてじゃないだろう」
「う……うっ」
 初めてじゃない?誰がそんなことを。
 閃光のように二宮が浮かんだ。こんなことまでするのか、そう思った瞬間に、
「大野くんが何度も抱かれてるらしいと」
「え……う、あああっ!」
 大野先生が?
 呆気に取られた一瞬に、ぐ、と尖った杭のようなものを無理矢理後ろにねじ込まれて仰け反った。きつく締めあげる入り口をこじ開けるように容赦なく池神のものが突き刺さってくる。
「すこし……我慢……したまえ………もうすぐ………君のいいところへ……」
「…………っっっ」
 ことばにならない声が弾けて意識が遠ざかる。気を失いかけたのを引き裂かれていく下半身から走り上がる激痛が引き止める。ぬらぬらした感触が後ろから背中へ伝い落ちていく。ぐいぐいと押し込まれてくるものが容赦なく奥へと進み、吐き気が込み上げてくる。
「う、うぐ…っ」
「んっ……えらくきついな……こら……もっと力を抜け」
「ぐ、ぶっ……」
 抱え上げられた腰を深く引き込まれ、どすり、と深いところを穿たれた。腹から競り上がったものが胸を押し上げる。
感覚が一点に集まって血の気が引いた。見開いた視界が霞み意識が揺らぐ。
「こっちじゃだめか…」
「ぐぅ!」
 ぐさりと押し込まれたかと思うと一気に引かれ、相葉は跳ね上がった。喉を塞いだ塊を、裏返された体が俯いたのをきっかけに一気に吐き戻す。
「げ、ええっ」
「うわっ、何だ、お前っ」
 背中で焦った声が響いて突き飛ばされた。もう一度入り込もうとしていた楔がうろたえたように引き抜かれる。吐いた汚物の中へ崩れ込むのをかろうじて避けた、それがもう限界で激しく畳に叩きつけられ、衝撃に目を閉じたそのとたん、背後で冷え冷えとした声が響いた。

「何をされているのか、お聞きしたいところですね、池神さん」
「な、なんだっ、お前っ、何をしてるっっ!」
「何を?」
 低い笑いが響いた。
「携帯で画像送ってますけど。僕のパソコンが楽しんで食ってますよ、おいしいネタだって」
「ひ」
「凄いかっこですね。血まみれで垂れ下がってるもの、始末してもらえませんか。それとも、顔の表情まで細かく映されるの、待ってます?」
「ばっ、馬鹿なっ」
「明日朝一番で教育委員会はとんでもない報告を受け取って大騒ぎですねえ。何せ、懇親会と称して男性教師を暴行しまくっていた男のリアル映像ですもん。法律的には裁けなくても」
 くすくすと楽しげな笑いが響いた。
「あなたはもう終わりですよ、池神さん。御自宅にもパソコンお持ちでしたし」
「何っ」
「早く戻られた方がいい。奥様……いや、娘さん、中学生でしたよね?厳格で融通のきかない父親の思いっきり乱れた姿を見て自殺されると、僕も寝覚めが悪いです」
「う、ああああっ!」
 吠えるような声を上げて池神が走り出ていく。
「ああ……奥様と娘さんのパソコンとも見た方がいいですよ………でも」
 暗い笑いを響かせる。
「家族が何をしてるかなんて………御存じないか、あなたは」
 パニックになってる池神には聞こえないだろう、静かな声でつぶやいた相手は、ぱたりと引き戸を閉めると急ぎ足に近寄ってきた。
「相葉先生?相葉さん?」
「に……の………」
 ふわりと下半身が覆われた感触、腕の戒めを解かれ、そのままゆっくりと上半身を起こされて思わぬ優しさで抱き締められた。
「大丈夫?」
「……はな…れて………」
「え?」
「よご…れる……」
「……馬鹿」
 汚れた口元を拭われると浴衣で包み込むように抱き上げられた。
「っ、い……たっ……ぃ」
「うん、ちゃんとしてあげるから、少し我慢して」
 我慢、のことばに池神の声が重なってぞくぞくする。それを察したように、震え出した体を二宮が深く抱き込んで部屋を連れ出してくれた。
 途中仲居を呼び止めて部屋の始末を頼み、そのまま二宮は相葉を風呂場に運んだ。
「気分は?吐きそう?」
 黙ってのろのろと首を振る。全身けだるくて力が入らない。
「僕が洗ってあげるから、先生は動かないで」
「……ごけ……ない」
「え?」
「……薬……使われ……」
「……そう」
 二宮の声がなお冷えた。

「そんなこと、してくれたんですか。じゃあ手加減しなくていいな」

 血と汚物でどろどろの浴衣を脱がせて、湯をかけ、石鹸を泡立て静かに全身洗ってくれる。くたりとした股間も、ささくれたようにずたずたになっている後ろもタオルを使わず掌で撫でるように。それを拒む気力も、それどころか痛がることさえできなくて、目を閉じたまま相葉は二宮の手に自分を委ねた。
「大丈夫?」
「うん……」
「じゃあ、戻るよ」
 一通り洗い終えると濡れた髪を軽く拭いて、二宮は相葉をバスタオルに包んだ。そのまままた抱き上げて部屋に戻ろうとするのに、思わず目を見開く。
「や……だ」
「え?」
「あの…部屋……は」
 また吐き気が込み上げそうになった。血の気が引いて体が勝手に震える。きゅ、と二宮が落ち着かせるように抱き締めた。
「大丈夫、僕も部屋を取ってるから、そっちで休みましょう」
「なんで……お前が……?」
「そりゃ、決まってるでしょう、学校を離れたら無事だなんて思ってるあなたを、今夜こそ抱こうと思って。けど……」
 二宮がふいに口をつぐんだ。
「……こんなことなら、もっと早く抱いとくんだった」
 その口調に初めて聞くような苛立つ熱を感じ取って驚いた。
 見上げる相葉を静かに見返す二宮の顔は厳しい。いつも好き勝手に相葉を嬲る悪戯っぽい色は見えず、ただ怒りが見える、暗く淀む真っ黒な怒りが。
「怒って……るの…」
「自分の愚かさにね。ああ、ちょっと先生、僕の首に抱きついて。鍵出さなくちゃ」
「ん……」
 かろうじて首に腕を絡める。部屋の鍵を開ける十数秒に残った体力を使い果たして、布団に下ろされたときはもう今にも眠り込みそうだった。
「少し待っててね?」
「うん…」
 部屋を出て行く二宮をぼんやりと眺める。二宮こそ、いつもは相葉をいたぶり泣かせている本人なのに、どうして今はこんなに安心してしまうのか。
 うとうとしていると、その間に寝かされたまま体を拭かれ、新しい浴衣に着替えさせられた。やがて、二宮の指がそっと膝を掴んで立てさせる。
瞬きして戸惑っていると、そのまま膝を開かれて一気に目が覚めた。
「に……にのっ……っ」
 全身に鳥肌が立った。寒さではなく恐怖から、また加えられるかもしれない痛みに体が先に反応する。
「……大丈夫。さすがの僕も今の先生をどうこうって気はないよ。けど、後ろはね、ちゃんとしとかなくちゃ、後が辛い」
「い……や………っ」
 何か濡れたものを乗せた二宮の指が当たっただけで、悲鳴を上げてしまった。無意識にずり上がり、潤んだ視界に喘ぎながら首を振る。
「先生」
「や……だ……っ……も……やだ……っう」
 ひくひく震えた体に視界がくらんで、また胃の中のものを吐き出しそうになった。
「たす…けて……っ……も……ゆるして……っ」
「あのクソ野郎」
「……んっ」
 ぼそりとつぶやいた二宮が次の一瞬口を重ねてくる。無理に舌を押し込んでこず、なだめるように何度も唇を啄んだ。望んではいなかったが慣れた手順に体が緩む。緊張がほぐれていくのを確認したように、二宮がそっと萎れたものを掬い上げた。
「ん……んっ……んっ」
 柔らかく包まれ指先で微かな刺激が加えられる。虚ろになっていた感覚が少しずつ、その動きに集中してくる。
「ん…んんっ………んぅっ………んっ、んんん」
 口を塞がれたままのせいか、快感を捉え出してからはみるみる煽られていった。いつもなら焦らされるようなところも、今はただ感じさせることだけを目的にしているように一気に扱かれ追い上げられる。
「ん、んぁっ、あっ、あ………ああっっ!」
 とっさにタオルで包まれた中に吹き上げて、息を整える間もなく僅かに開いた後ろに指を入れられた。
「あ……あうっ」
「じっとしてて。薬塗るだけだから。すぐ終わるから」
「は、うっ、う、うううっ」
 入っているのは二宮の指で、それはねっとりと冷えたものを絡めていて、探るように内側を撫でていく。さっきの池神とは全く違う感触、けれど、力まかせではないのに容赦がないのは同じ、そう思い出してまたも込み上げてきそうになったものに目を閉じた瞬間、
「っ、あああああっ」
 ぐるり、と回った指が弱い部分を擦った。まだ冷えた感触があるままに塗りこめられる薬が絡む、その皮一枚遠い感覚が繰り返しそこを撫で回す。
 さっきは傷めつけられただけで、気持ちいいところはまともに触れてもらえなかった。けれど今、二宮が微かに柔らかく刺激し続けるのは、そのいいところばっかりで。頼りない感触だけに感覚が尖ってどんどん勝手に煽られていく。
「い……っあ……あっ、あっ」
「先生、気持ちよさそうだけど?」
「ふ、うっ、くっ、くふっ、う、うあああっ」
 声を噛み殺そうとしたとたんに、もっと深くを嬲られて仰け反る。股間のものがそそりたってタオルを押し上げつつとろとろ零し続けているのに気づいて頭が過熱した。
「に……にのみ……っ」
「そんないい声聞かせたの」
「ち…が…っ」
「そうだよね、先生を気持ちよくさせられるのは僕だけだよね………言って?気持ちいいでしょ?」
「うっ、うっ、うっ」
 涙が溢れる視界を必死に見開いた。二宮が優しく微笑んでいる。その顔にふいに強烈な安堵を感じて相葉は高い声を放った。
「い……いい……いいっ……二宮………にの……みっ!」
「先、生っ……」
 相葉を抱えていた二宮が低い声で呻いて、噛みつくように口づけてくる、その腕で仰け反りながら相葉は、暗く甘い二宮の黒に染まる自分を感じ取った。
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