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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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ギラギラと光る太陽が、容赦なく身体を照りつけて、滝のように溢れ出る汗が身体を伝っていく。

その感覚に顔をしかめ、二宮は忌々しそうに空を睨んだ。

今日は終業式で、明日から夏休みだ。
しかし、しょっぱなからこんな暑いんじゃ先行きが不安でしょうがない。



「あ、にの!わりぃ、遅れた」
「遅ぇよ、お前。暑くて死ぬかと思った」


そう言って、目の前の自分より背が高く無駄にスタイルの良い少年を睨み付ける。


「うひゃひゃっ。大げさだな、にのは。こんくらいじゃ死なねぇだろ」


そんな二宮を大きく笑い飛ばした少年も、滝のように汗をかいていた。



「俺は相葉さんと違ってデリケートに出来てんの」
「デリケートねぇ・・・。それにしてもあちー・・・気持ちわりぃし、ベトベトする・・・」


二宮の言葉を軽く流しながらもやはり暑いようで、制服の胸元を大きく開けパタパタと前後に振って涼を求める。


相葉の胸元を流れる汗と、暑さで火照った頬、潤んだ瞳が二宮を妙な気分にさせる。



「あー、早く帰ろうっ。帰ってシャワー浴びて、うみ!!海行こうぜっ」


急にテンション上げて叫んだ相葉に、二宮は鬱陶しそうな顔をした。


「やだよ、面倒くさい。帰ったら家で、まったりゲームしたい」
「なに、じじくせーこと言ってんだよ!夏だぞ?せっかくの夏休みなんだから、遊ぶだろー?普通」
「普通じゃなくていいよ。俺、暑いの苦手なの」
「もう、にのは暑いのも寒いのも苦手じゃん。良いから!今日は海!!明日はゲームでも良いからさ!」
「・・・分かったよ。とにかく帰ろうぜ・・・・暑くて死にそう」
「もう、お前そればっか!!ま、いいや。行こう!!」





2人で自転車置き場へと向かう。





「・・・で、何でお前は俺の後ろにいるわけ?」



何故か二宮の自転車の後ろに座っている相葉に顔を顰める。


「えへ」


「えへ・・・じゃねぇだろっ!お前自分のチャリはどうしたんだよ!?」
「朝、壊れてたからさ今日は徒歩通したの。ほら、早く出発!!」


「代われよ、お前の方が重いんだからさっ!」


「嫌だよ、にのの自転車低いもん」


おれには合わない。





カチン。



「お前なぁ・・・振り落とす!!」
「うわぁっ!ちょ、に、にの!危ねぇっ。うひゃひゃっ!!」



勢いよく漕ぎ出して左右に蛇行する二宮の運転に、最初は焦っていた相葉だが、すぐに楽しみ始めた。


振り落とされないように、二宮の腰にしっかりと腕を回し、しがみついている。



「ちょっと、相葉さん暑いんだけど。あんまくっつくなよ」



この暑さに加えて、自転車を全力で漕いだ二宮の体からは汗が吹き出て流れていく。



「いいじゃん、落ちそうなんだよ。にの、すっげぇ汗だね。汗くさい」
「うるさいよっ。あんただって変わんないでしょ?」
「そりゃそうだ。うひゃひゃっ」



そう言って更に二宮に密着する相葉。


相葉とくっついているところから、彼の体温と汗が二宮に伝わる。


後ろにいる彼を見ると、濡れた髪から首筋へと汗が流れ、太陽に照らされてキラキラしている。



二宮は夏の暑さではない、別の熱さが体内を駆け巡るのを感じた。




「ねえ、相葉さん・・・」
「んー、なにぃ?」
「もうさ、あっついしさー、汗臭いしさー、どうにもなんないからさ・・・・」
「うん?」



「やらしてくんない?」



「はぁ!?」



相葉の大声と共に二宮の後頭部に痛みが走った。




「いてっ!何だよ殴るなよ、痛いな」
「にのがへんな事言うからだろ!?なんだよ、やらせろって。おれ、女じゃねぇし。そういうことは女に言えよ」
「女なんて、興味ねぇもん」




誰が女とやりたたいって言ったよ。
俺はあんたとやりたいんだよ。
もう、ずっとずっと昔から。


二宮は再びペダルを全力で漕ぎ始めた。



「わっ!」




急な加速に後ろへ倒れそうになり、相葉は慌てて二宮にしがみつく。



「ちょ、にの!」
「俺は、あんたとやりたいのーっ!!」
「ばっ、声でかいって!!」




二宮にしがみつきながら、相葉が二宮の体を揺さぶった。




自転車がバランスを崩しそうになる。




「おい、あいばっ!ちょっとやめろよ、コケるっ!!」



後ろで暴れる相葉のおかげで何度も転びそうになりながら、2人を乗せた自転車はフラフラと進んでいく。



「うひゃひゃっ、にの!頑張れ!!転ぶな!」



先ほどのやり取りなどすっかり忘れてはしゃぐ相葉。





ホント、人の気も知らないで気楽に笑っちゃって。

憎たらしいヤツだよ、大好きだけど。

しばらくは、今日の熱と感触で我慢しますか。



お前が俺を欲しいと思うまでは。



ずっと我慢してきたんだから、まだまだ我慢できるさ。




青春って甘酸っぱいね。





二宮は照りつける太陽を睨みあげ、自転車を漕ぐ足に力を込めた。






終わり
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