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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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ワタクシ二宮和也、ただいま猛烈に落ち込んでおります。
その原因はと言うと・・・。



「うひゃひゃっ!だけどもだっけど♪そんなの関係ねぇ、はいっ!おっぱっぴぃ!」



隣で小島よしおを真似してる男のことだったりするわけです。
もちろん、誰だかお分かりですよね?



「ねぇ、にの!見て見て!!おっぱっぴぃ!!」
「・・・・はいはい」


はしゃぐ彼に適当な返事を返す。


この呆れるほどに能天気な男、相葉雅紀。
この人のことで奈落の底まで落ちているんです。



事の発端は皆さんもご覧になったであろう実験スペシャル。

俺と相葉さんのロケ、ミラーマンにある。



面白かったでしょ?
あれはね、今回の実験の中でも一番だと思うんですよ。
何であんな扱いなのか、納得できないんですけど。
まぁ、ゴールデン向きではないとは思います。


って、そうじゃなくて。
あの実験のせいで俺は今、落ち込んでいるわけですよ。



俺はね、相葉さんのことを世界で・・・いや、この世もあの世も全て含めて一番想っているって自信があるんです。
彼を想う気持ちは誰にも負けないし、負けるつもりもない。


ずーっと彼のことを見てきたし、それはこれからも変わらない。


俺にはね、自負があったんです。
自分が彼を見失うはずがない。
何処に居たって、何をしてたって・・・俺は彼を見つけられるって。




なのに・・・・。
俺は彼を見失った。
一瞬ではあったけれど。
森の中で彼が何処にいるのか分からなかった。

俺は必死になって探した。
それこそ、テレビだって事も忘れるくらい。
出川さんへの返しも疎かになっていたけど、気にすることも出来なかった。
目が悪いせいだと、自分をごまかしたりして。



透明人間になりたいと言っていた彼にはきっと、嬉しいことでしょうけど。
俺にとってはとてつもないショックだった。



というわけで。
表面上はいつもと変わらないニノちゃんを演じてはいますが、内心ずっしりと落ちているんですよ。



「もう、にぃの!!」



適当な返事に痺れを切らしたのか、ハニーちゃんが背中に張り付いた。


「何ですか?甘えん坊さんですね。ちょっと、重たいよ・・・」


そう言って肩から覗く小さなお顔を小突いた。
ワタクシとしては、いつも通りにしていたつもり・・・だったんですが。


「ねぇ・・・にの、なんか変。元気ないね?」


思わず、肩から覗く顔を見つめる。


「そう、ですか?」


そんなことないけどと、目を逸らした。


「・・・そう?なんか、いつもと違うんだけどなぁ。ほら、顔がねしゅわしゅわしてんの」
「しゅわしゅわ?何それ、意味分からないんだけど・・・」
「んー・・・なんていうのかなぁ。顔がね、ふにゃぁってなっててね、元気じゃない感じがするの」
「・・・・覇気がない・・・って言いたいの?」
「そう、それ!!はきがないの!!」


自分の言いたいことが言えて、すっきりしたのか、ぎゅうっと抱きついてワタクシの身体を前後に揺する。


「ちょ、苦しいよ!もう・・・」



文句を言ってみても、彼は微笑むばかり。



「ねぇ、どうかしたの?おれ相談にのるよ?」
「・・・・・」


この人は普段鈍いくせに、どうしてこういう時は気付くんでしょうね。
ホント、敵わない。


「俺ね、鏡ロケん時、あんたを見つけられなかったの。絶対に自信があったのに・・・・あんたを見失った」
「にの?」
「そん時ね、見つけられないショックもあったけど・・・あんたがいないって事に、一瞬にして視界が途絶えたんだ」


ナニモミエナイ。
ナニモキコエナイ。


世界はこんなにも暗くて静かなところなんだ。
あんたがいないと。


所詮俺の世界なんて、こんなもの。
絶対言うつもり、なかったのに。



前に回る相葉の手をぎゅっと掴んだ。
その手がするっと、俺の手から抜けていく。


「あいばさん・・・?」
「にの!見て!!」
「はい?」


突然立ち上がったかと思うと、相葉さんが取った行動は・・・。


「はいっ!そんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ!!」


小島よしおかよ・・・・。
人がシリアス気取ってんのに、落ち込んでんのに、この人は・・・。
思わずため息が漏れた。


「ちょっと、にの!見てんの!?」
「はいはい、見てますよ」
「もう!呆れてるでしょ?そうじゃなくてね、おれが言いたいのは、にのがおれを見失っても、そんなの関係ないって言ってんの!!」


ちょっと、関係ないって、ひどくないですか?それ。


「だって!にのがおれを探してる時、おれにはにのが見えてるんだから!!」
「・・・え?」
「だぁかぁら!にのが見失っても、おれはにのが見えてたの!だから、にのの世界が暗くなることなんてないし、不安になることもないの。分かる?」
「あいばさん・・・」


「おれだって、にのが・・・にのがおれを見てくれないなんて、いや。だから、透明人間になったとき、にのが探してんの見て・・・最初は嬉しかったけど、だんだん不安になって・・・。
おれ、ここだよ!にの、早く見つけて!って思ってた。あんな気持ちになるなら、透明人間なんてならなくていい・・・」


相葉さんが、正面から抱きついてきた。
俺はそれをしっかりと受け止め、力いっぱい抱きしめる。


「にのぉ・・・にのが見つけられない時は、俺が見つけるから・・・だから・・・」
「うん・・・。あんたが見失った時は、俺が必ず見つけるよ」
「絶対ね?おれだって、にのがいなきゃ・・・・んっ・・・」


いい終わらないうちに、相葉さんの言葉ごと飲み込んだ。


俺達は、やっぱり似たもの同士だね。
あんたの言葉、俺もそう思ってるよ。



今後、俺があんたを見失うことなんて絶対ないと思うけど。
その時には、あんたが俺を見つけてよ。
きっとそん時には、俺は暗い世界に怯えきってるだろうから。


今日みたいに見つけて、抱きしめてね。



『おれだって、にのがいなきゃ・・・生きてても死んでるのと一緒だから』




おわり
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