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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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「相葉さん・・・・ごめん。俺たち、別れよう・・・」
「にの・・・どうして?おれ、なんかした?」
「いいえ。相葉さんは何も悪くない・・・ごめん。俺が駄目なんだ」



二宮は辛そうに目を伏せた。




「いやだよ・・・別れたくないよ。おれ、わがまま言わないから、嫌がることはしないから・・・だからお願い、そばにいさせてよぉ・・・」



二宮の手を握り締めて、必死に訴える相葉。
その瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだ。



「・・・ごめん。俺たちはこうなる運命なんだよ、相葉さん。幸せになって」



相葉が握る手に自分の手を重ね、微笑むと相葉の手から力が抜けた。
相葉の手から二宮の温もりがするりと抜ける。
二宮が相葉に背を向けた。




「いやぁ・・・!お願い、にのぉ・・・お願いだから、おれから、にの取らないでよぉ・・・」



二宮の背中に、悲痛な声が届く。
二宮は一度固く目を閉じ、振り切るように歩き出した。



その場に立ち尽くす相葉。




「にのぉ・・・」



再び2人の道が重なる事は決してない・・・・・「あのさぁ、お前らいい加減にしてくんない?」



その一部始終を見ていた松本は不機嫌そうに顔をしかめた。


「高々、2時間くらい離れるだけで今生の別れみたいに言いやがって。リーダーも何やってんだよ!変なナレーションつけてんじゃねぇよ。何が『再び2人の道が重なる事はない』だよっ!




そう、今までのナレーションはリーダーのものだった。



「何だよぉ、俺はニノに言われたとおり読んだだけだぞ?」
「だから、そんなことに参加すんなって言ってんだよ!!お前らも馬鹿な事してねぇでさっさと乗れ!乗り遅れんだろうが!!」



ついに松本がキレた。


これから次のコンサート地である仙台へ新幹線で移動するのだが、その新幹線での座席が離れたのが事の発端だった。


座席を決めて、今から乗り込もうというところでの寸劇だ。



「馬鹿なことって何ですか!?俺たちにとったら、本当に辛い別れなんです!潤君には分からないでしょうね!
なんせ、相葉さんの隣に座る立場ですから?」



二宮が松本に咬みついた。
結局はソコなのだ。



「あのなぁ・・・お前を相葉ちゃんの隣にすると、所構わずバカップル振りを発揮するからだろ?俺はただ、静かに穏やかに移動したいんだよ!!」



「ほぉ・・・穏やかにねぇ・・・。じゃあ、あなたはあの人をあのままにしておけるんですか?」



「うっう・・・にのぉ、いやだよぉ」



いまだに立ち直れず泣き出しそうな相葉を櫻井が一生懸命慰めていた。



「相葉ちゃん、そんな落ち込むなよ。2時間なんてあっという間だよ?向こう着いたら、ニノとまたより戻せるからさ・・・な?」
「翔ちゃぁん・・・・」



「何で・・・・あんなになってんだよ?」



本当に数時間離れるだけだ。
何日もあえない事だってあるのに。



「どうやら、演じてるうちにホントに別れると思っちゃったみたいだぞ。感情移入ってヤツだな」


大野が困ったように言う。



「どうしてくれるんですか?」



二宮が松本に詰め寄る。



「どうするも・・・お前らがそんなことしなきゃ良かっただけじゃねぇか!!」



「なぁ、まつもっさん。もうさ、隣同士にしてやれよ。収まりつかねぇよ。それにこのままじゃ、コンサート本番で不細工相葉の出来上がりだぜ?」

相葉の頭を撫でながら、櫻井が言う。



「ぶ、ぶさいく言うなぁ・・・」
「ああ、ごめんごめん」


「ちょっと、翔ちゃん。相葉さんから離れてくれます?ほら、相葉さんおいで?」
「にぃのぉ・・・・」



とてとてと二宮に近づき抱きつく。
肩口に顔を埋めて、すり寄せる。



「大丈夫ですよ、俺たちは絶対別れませんから。相葉さんが嫌って言っても離しません」
「ほんとぉ?」
「もちろん。俺、あんたが大好きなんだから」
「ふふっ、おれもぉ。にのすき!」



再びきつく抱き合う。



言っておくが、駅という公衆の面前だ。




「もうさ、隣同士にしてやれよ。その方が後々面倒がないぜ?」


櫻井の言葉に松本は渋々了承する。
結局は相葉の涙に弱いのだ。



「・・・・分かったよ。その代わり、少しでも変なことがあれば、即離すかんな?」



二宮を睨み、忠告した。



「はいはい。相葉さん、俺たち一緒にいられるって!」
「うん!良かったね、にの!松潤ありがと!大好き!!」
「ああ・・・」




そんなこんなで、現在お隣同士のバカップル。
二宮としては、いちゃいちゃしたいのだが、後ろから痛いほどのオーラを感じるので、ここはおとなしくしておこうと思う。




それでも、2人一緒なら幸せなのだ。




愛しい人の真剣な表情を最後に、二宮は瞼を閉じた。




おわり
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