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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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「翔ちゃん!翔ちゃん!明日さ、一緒のオフでしょ?予定ある?ないならさぁ、あそぼーよ!」
 本日のお仕事終了という時に相葉ちゃんが嬉しそうに駆け寄ってきた。ああ、今日も可愛いね。
「いいね!予定も特に入れてないし。あ・・・でも、いいの?」
「なにが?」
「その・・・ニノは?」
 そう、相葉ちゃんと遊ぶには最大の難関である彼の恋人。彼の相葉センサーはすごいのだ。相葉ちゃんが昨日誰といたとか、何をしていたかとか、何を食べたかまで把握している。
 恐ろしい情報網と、執着心。その彼が、やすやすと承知してくれるのか・・・・。
「なんで?ニノは関係ないでしょ?おれが翔ちゃんと遊びたいんだから」
 ああ、何て嬉しい事言ってくれるのこの子は!!可愛いなぁ、もう。思わず頬が緩む。
「予定ないならさ、いいよね?」
 期待に満ちた彼の目を見て、断れるやつはいないと思う。
「もちろん!!オッケーだよ。久しぶりじゃね?相葉ちゃんと遊ぶの」
「そーだよ!翔ちゃん、ぜんっぜん誘ってくんねぇんだもん!」
 頬を膨らませて文句を言う相葉ちゃん。いや、俺だって相葉ちゃんと遊びたいよ。だけどさ・・・ほら・・・・ねぇ。あんたの保護者が怖ぇんだもん。
「まぁまぁ。その分、明日いっぱい遊ぼうな?」
 頭を撫でて言ってやる。
「うん!!へへっ。やったぁ!!」
 飛び跳ねて喜ぶ相葉ちゃん。そっかぁ、俺と遊ぶのがそんなに嬉しいかぁ・・・。こんだけ喜ばれると、男冥利につきるってモンで・・・。
「へぇ。翔ちゃん、相葉さんと遊ぶんですか・・・。相葉さんとねぇ。んふふ・・・」
 突然の背後からの恐ろしい声に背筋が凍る。
「に、二宮さん・・・あ、あのですね、遊ぶと言ってもですね・・・」
「あー、にの!聞いて!!明日ね、翔ちゃんと遊ぶ約束したの!ね、翔ちゃん?」
「え?あ・・うん」
 相葉ちゃんそんな嬉しそうに・・・・ああ、怖い。ニノが直視できない・・・。
「ふーん。相葉さん、遊ぶのはいいですけどあんまりはしゃぎ過ぎないようにね?」
 あれ?ニノがダメって言わないなんて・・・・おかしくない?いつもなら即効でダメって言ってくるし、威嚇してくるのに。ニノは俺を一瞥しただけで、特にダメとは言わなかった。
「だぁいじょうぶだよっ!!相手は翔ちゃんだよ?そんなにはしゃがないよ」
 あ、今何気にひどい事言いましたね雅紀さん・・・。
「まぁ、そうですけど。でも、気をつけて?あ、あと何されるか分からないし、気は抜かないこと!いいね?」
 何もそんなに念をおさなくても・・・。第一、 あなたが怖くて何も出来ませんから。
「はぁい!くふふ、翔ちゃん楽しみだね!!」
「あ?ああ・・・」
 俺は嬉しそうな相葉ちゃんに曖昧にしか返事できなかった。良いと言いながらも、目が笑ってませんけど、二宮さん!!帰り際には、普段聞いたことないような低い声でしっかりとニノからの警告。
「手ぇ、出すなよ?」
 だから出来ませんってば!!相葉ちゃんは大好きだし、あわよくばって思わないわけじゃないけど。まだ生きていたいからね、俺も。
 それでも、久しぶりに相葉ちゃんと遊べる事がすっげぇ楽しみだった。

 そして、次の日。
 俺は相葉ちゃんと遊ぶべく、彼の家へと向っていた。久しぶりの2人きり。何かがあるわけじゃないけど、やっぱり胸躍る。顔も自然に綻ぶってもんだ。たとえここに来るまでの間に、『死ね』メールが100件以上来ようとも。
 今日は絶対2人で楽しく遊ぶんだ!!強い決意で相葉ちゃんの家の前に立ち、インターホンを押した。
「あ、翔ちゃん。いらっしゃーい」
 パタパタと廊下を走り、玄関に迎えに来てくれた相葉ちゃんに頬が緩む。何か新婚さんみたいじゃね?可愛いなぁ、ホント。何でニノなんかと付き合ってんのかなぁ。こんな可愛くて素直な良い子が、何であんな黒い男と・・・・。
 そう思った瞬間に携帯が鳴った。相手はもちろん、100件以上の『死ね』メールを送ってきた男。

メール発信者 二宮和也
件名 無題
『変なこと考えてんじゃねぇよ、このヘタレ!まぁ何を思ったところで、相葉さんは俺のモンです』

 ・・・怖ぇよ!!何で俺が考えてることまで分かるんだよ!!
「翔ちゃん、どうしたの?」
「ん、いや。何でもないよ」
「そ?じゃ、部屋行こうよ!」
 そうだ、せっかく2人なんだから、こんな事でめげてちゃダメだよな。気を取り直して相葉ちゃんの後に続き、部屋へと入る。久しぶりに来た相葉ちゃんの部屋は、意外と綺麗に片付いていて。
「おれ、飲み物持って来るね。座ってて!」
 そう言って相葉ちゃんが部屋を出て行く。部屋をぐるっと見回した。DVDとかCDとかちゃんと並んでるし、漫画もしっかり本棚に収まっていた。整然としていて、綺麗な部屋なのだが・・・なんだろうこの違和感は。入った時から感じる・・・妙な感じ。・・・・何がと言われると困るんだけど、何か落ち着かない。まぁ、俺の気のせいかな?
 しかし、それよりも何よりも・・・・。ああ、相葉ちゃんの匂いがする・・・。浸っていると、また携帯が鳴った。

発信者 二宮和也
件名 無題
『変態』

 ・・・・だから、何で考えてる事が分かんだよっ!!しかも、お前仕事中じゃねぇのかよ。よし、こうなったら電源を・・・・・。

発信者 二宮和也
件名 無題
『携帯生かしとけよ。電源切ったら殺すよ』

 ・・・・・。
「翔ちゃん!」
「へ?」
 いつの間にか、戻ってきていた相葉ちゃんが顔をしかめて俺を見ていた。
「もう!さっきからボーっとして。どうしたの?」
 疲れてる?と首を傾げて心配そうに聞いてくる相葉ちゃん。あ、それカワイ・・・・いや、やめておこう。また携帯が鳴りそうだ。
「久しぶりに来たけど、何か部屋の雰囲気変わったね」
 飲み物を用意してくれる相葉ちゃんの前に座り、もう一度部屋を見回した。
「うん?ああ。なんかね、にのが前に来た時に部屋を何とかしたいって話したのね。そしたら模様替えしようって言ってくれて。にのがオフに1日かけてやってくれたの」
 すごいでしょ!?自分のことのように自慢げに言う相葉ちゃんは、本当に嬉しそうで、可愛らしくて。ニノが羨ましいと、本気で思う。
「おれね、その日仕事で途中までしか一緒に出来なくて。帰ってきたらこんな感じになってたの!」
「へぇ・・・」
 確かに棚の上やテレビの周りには、いかにもニノが選んだんだろうなというフィギュアが何体か置かれている。あのニノがねぇ。こんな面倒くさい事するなんて、やっぱ相葉ちゃんのこと好きなんだなぁ。何気なく手を伸ばしたフィギュアに違和感を覚えた。
 何か・・・・。
 ・・・・・・。
「雅紀さん・・・・」
「んー?」
「この部屋に居てさ・・・何か・・・変な事ない?」
「なに、変なことって?」
「何かさ・・・誰かに見られてるような感じがするとか・・・」
「えー、なにそれぇ?」
「・・・いや、相葉ちゃんが何ともないなら良いんだけどさ・・・」
 きっと、言わないほうが良いだろう。でも・・・・でもでも!!怖いんですけどっ!!だって、このフィギュア異様に重いし、模様に隠れてるけど、得体の知れない穴が開いてる!!しかも、その穴からキラッと光るものが・・・・これ、レンズだよなぁ・・・・。
 手に取ったフィギュアを置いて、他の物も確認してみる。うわー・・・・こっちもだ。どうりでアイツ、相葉ちゃんの行動を把握できてるわけだ。模様替えを買って出たのもこのためだろう。
 今日だって、これがあるから俺と遊ぶの許したんだな・・・。ここまでするなんて・・・恐ろしいヤツだ。
 犯罪ですけど、これ!!
 ニノの不適な笑いが頭に浮かんだ。
「あ!ちょっと翔ちゃん!これはね、この向きに置かなきゃいけないの!」
 そう言って、フィギュアの位置を直す相葉ちゃん。
「雅紀さん・・・聞いて良い?」
「なに?」
「どうして、その向きに置かなきゃいけないの?」
「よくわかんないけど、にのがそう言ったから」
 何の疑いもなく従ってるんですか、雅紀さん・・・。あんたすげぇよ、いろんな意味で。
「ね!それより、今日どうする?せっかくだし、どっか行くでしょ?」
 この状況に打ちのめされてる俺には全く気付かない相葉ちゃん。嬉しそうにこの後のことを考えてる。
「・・・ねぇ、雅紀さん」
「なぁに?」
「雅紀さんはさ・・・ニノの事、好きなんだよね?」
「どうしたの急に?当たり前でしょ?」
「どんな事があっても、それは変わんねぇよな?」
「うん。もちろん!」
「どんなニノも許せる?」
「翔ちゃん、さっきからなに?」
 相葉ちゃんの眉間にしわが寄る。
「いや、ほら・・・ニノって結構、独占欲強そうじゃん?相葉ちゃんはどう思ってんのかなって・・・・辛い時とかないのかなってさ・・・?」
「んー・・・。どんなにのも、にのはにのだし大好きだよ?時々怖い時もあるけど、それはたぶんおれが悪いから。だから、つらい事なんてないし、きっとどんなにのも許せるよ。」
 少し考えた後、相葉ちゃんは俺をまっすぐ見つめてこう言った。純粋にすごいと思った。相葉ちゃんはホントに良い子だなぁ。
「そっか・・・・じゃ、いいや」
 相葉ちゃんがそう思ってるなら、もはや何も言うまい。まぁ、言えないっていう方が正しいけど。
 どうせヘタレですから。
「もう!ホントに、さっきからなんなの?変な翔ちゃん!」
「ごめん、ごめん。とにかくさ、出かけね?ここ、俺には無理だわ」
 ここでくつろぐ事は、俺にはちょっと出来そうにない。それに、せっかくだから気兼ねなく遊びたいじゃん?
「無理ってなに?」
「なんでもない。ほら、行こうぜ!」
 俺が立ち上がって促すと、ちょっと納得行かない感じだったけど、遊びたい気持ちが勝ったのか相葉ちゃんも立ち上がった。
 それから街へと繰り出した俺たちは、思いっきり遊びまくって解散した。その後は、ニノからのメールもなく、誰にも邪魔されずに盛り上がった。どさくさにまぎれて手握ったり、抱きついたりもしちゃったし。
「ちょっと、翔ちゃん苦しいよぉ」
 とか言う相葉ちゃんはホント可愛かったなぁ・・・・。

 次の日、楽屋で1人、昨日の事を思い出していると、またしても背後からの恐ろしい声。
「誰が抱きついて良いって言ったよ、このド変態」
「に、ニノ!!な、何でご存知なんでしょうか・・・・?」
「んふふ・・・俺の情報網をなめんなよ?」
「二宮さん・・・相葉ちゃんの部屋、あれは犯罪ではないでしょうか?」
「何のことでしょう?」
 とぼけやがった。
「いえ・・・何でも・・・・」
「んふふ、良い心がけですね」
 ああ、その笑み・・・・悪魔だ、悪魔がいる!
「で、何故にご存知なんですか?昨日の事・・・」
 相葉ちゃんが話したのか?
「・・・相葉さんは言いませんよ、そんな事。っていうか、相葉さんは覚えてすらいないでしょうね」
 今、何気に俺の心の中を読みましたよね!?最早、人間の域を超えていますよ二宮さん・・・。
「では、なぜ?」
 ご存知なんでしょう?
「・・・さぁね?」
 ニノは口の端を吊り上げて、手に持っているものを掲げてみせた。手元には携帯電話。そこには相葉ちゃんとおそろいのストラップ。相葉ちゃんの部屋にもあった、ニノお気に入りのキャラクターのものだ。
 まさか・・・。
「結構、感度良いんですよね、これ。かなりの遠くまでイケますよ」
 携帯を振って笑うニノ。うわー・・・・盗聴ですか・・・。俺、すげぇヤツとグループ組んじゃった・・・。
「独占欲強くて悪かったですね」
 ああ、やっぱり・・・部屋にもあるんですね・・・。良かった、変な事しなくて。笑顔で俺に近づいてきたニノは、耳元でひと言。
「バラすなよ?」
 怖いよぉ、怖すぎるんですけど二宮さん!!俺1人で抱えきれる問題じゃねぇ・・・。
 大野君、松潤、早く来てくれぇ!!
 と言っても、2人ともあんまり聞いてくんねぇんだよ、あいつらの事は。ろくな事がないって・・・まぁその通りなんだけど!!
 はぁ・・・。俺は2人が幸せならそれで良いということにして、無理やり自分を納得させた。これから、相葉ちゃんと2人の時は気をつけよう・・・。相葉ちゃんの幸せそうな顔と、ニノの悪魔のような笑みが交互に浮かんでは消えていく。皆さん、俺はこのままやって行けるでしょうか・・・?

おわり?


「時に、二宮さん」
「・・・何ですか?」
「あのお部屋にはどれほどのモノが仕掛けられているんでしょう?」
「・・・さぁね?」
「あのお部屋で・・・いたす事もおありなんでしょう?もしかして・・・お撮りになられてるんでしょうか?」
「んふふ・・・どうでしょう?」
 不敵な笑みに、絶対やってるなと確信した櫻井。

*****

「あっん・・・ん、にっのぉ・・・・あぁ・・・」
 後ろから相葉を攻め立てる。
「んっ・・・あっいばさん・・・ちょっと、身体起こそうか・・・?」
「えっ・・・あっあ!」
 身体を起こして背面座位。
「んふふ・・・角度変わって感じちゃったね・・・?」
「はぁ・・・ん・・・ばっかぁ・・・あっん」
「・・・ほら・・・あいばさん、フィギュアが見てるよ・・・」
「え・・・?あぁっ!あっあ・・・んっ・・にのぉ・・あ、ちょ・・・あぁ」
 相葉がフィギュアを見た瞬間、大きく突き上げる。
「・・・あっいば・・・そのまま・・・イって・・・」
「あっぁ・・・もう・・・だめっ・・ん、ん・・ああっ!」
 相葉が絶頂をむかえた。横に眠る相葉の頭を撫でながら、二宮は微笑む。フィギュアに目を向けた。
「ごめんね相葉さん。俺ってば、こんなにもイカれちゃってんだ、あんたに。許してね?」
 幸せそうに眠る相葉の額にキスをし、一緒に眠る。どんな俺も許してくれる・・・そう言ったあんたに甘えて。

おわり
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