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小説の再編集とか、資料とか、必要な諸々を置いておくブログ
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過去も今も未来も。
ずっと、ずっと。






「相葉さん。今日はすぐ帰れるんでしょ」

コンサートが終わって、楽屋で着替える。
俺が帰り支度を終えた頃、ようやく戻って来た相葉さん。
事務所の先輩後輩が一気に集まるこういう場では、この人は色んなところからお呼びが掛かる。
それは、まぁ俺も似たようなもんだけど、適度にかわすことが出来るのと出来ないのと、俺は前者で相葉さんは後者。

「うーんと、いつものうどん屋さん行くでしょ、そしたら飲みに行こうかって…」

不器用に衣装を脱ぎながら、舌足らずでハスキーな声が告げる。
予想していた答えだ。
どうせ某二人組のあの人やら、某関西グループのあいつやら…その辺りからの誘いでしょうね。

「で、何て答えたんですか」

自分でも若干口調がキツクなったのが分かる。
その証拠に関係無いはずのキャプテンと翔くんが寒気でもするように背筋を震えさせながら、こちらに視線を向けないようにして楽屋を出て行く。
ちなみに潤くんは、まだ戻って来ていない。
行き先は考えるまでも無い。
今頃は山P相手に彼の取り合いをしていることでしょう。

「んー、断っては…ない」

なるべくこっちを見ないようにしながら着替え終えた相葉さんは、髪の毛を整えながら微妙な言い回しをする。
誘われるの大好き、飲むのも大好き、で甘やかされるのも大好き。
そんなこの人が、自覚は無いかもしれないけど、自分が好かれてて、限りなく甘やかしてくれる相手からの誘いを断るはずも無い。
俺はばれないように溜息を吐きながら、鏡に向かう後姿にそっと近付いた。
俺よりも身長の高い相葉さんを後ろから抱き締める。

「貴方って人は、どうして…」

抱き締めたら、びくり、と震えた姿はまるで小動物みたいだった。
耳元で囁いたら、鏡の中の相葉さんが大きな眸をぎゅっと閉じた。

「だっ…て、久し振りだったし…」

ぴったりとくっつけた身体、相葉さんの鼓動がどんどん速くなっていくのが分かる。
可愛い反応。
やっぱり行かせるわけにはいかない。

「相葉さん…」

意図的に声を作って、薄い耳朶を甘噛みした。
弱いの、知ってるからね。
それから、細い、細い首筋に口付けを一つ、落とした。

「に、の…」

消え入りそうな声で、拒絶の色を含んだ口調で俺の名前を呼んだ。
薄い胸を服の上から弄る。
流石にまずいと思ったのか、相葉さんが弱弱しく俺の手を掴んだ。
それを無視して、見付けた引っ掛かりを引っ掻くようにしたら、ひゅっと息を吸い込んだ。

「ゃ…め、にの…ぁ…」

口唇から漏れる掠れ声。
細い身体が小刻みに震える。
敏感な耳を濡らして、華奢な首筋に幾つもキスを落とした。

「も…ぉ、ゃだ…にの…」





がくがくと震える身体を支えきれなくなって、床にへたり込んでしまった相葉さんが涙がたくさん溜まって、潤潤した大きな黒い目で上目遣いに俺を睨む。
もちろん、全く怖くなんてない。

「おまえ…ずるい、よ」

ここは楽屋だし、外に人だってたくさん行き来してるし、何よりいつ潤くんが帰って来るか分からないし。
そんな場所で最後までする気なんて無い。
相葉さんだって俺がそんな気が無いのは分かってる。
ただ、行かせたく無かっただけなんです。
それだって、きっと相葉さんにはばれてしまっている。

「初めて逢った時から、今、この瞬間も」

俺はしゃがんで、相葉さんの大きな眸を覗き込んだ。
そこには、割りと情けない顔をした自分がしっかりと映っていた。

「貴方は、俺だけのものなんです」

正面から強く抱き締めて、想いを込めて囁いた。
誰が愛したって、誰が欲しがったって。
この目の前にいる、愛しい人は俺のものなんです。
俺が手に入れた、唯一無二の。

「分かってるよ、にの」

相葉さんが、俺の背中に腕を回して抱き締め返してくれて。
優しい声で言った。


「今年もよろしく。ずっと、一緒にいられるといいね」





子供みたいな俺の独占欲。
欲しいのはこの人だけ。

子供みたいな俺の願い。
叶えられるのはこの人だけ。
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