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卍 馬と鹿の本能 卍 (仁亀 淳聖 竜雄)
601 卍寺 2008/03/06(Thu) 00:59
☆589さま S田口は一週間後の淳聖で発動する予定です(^^;)
☆590さま 今回は聖・・ドキドキですかもね??(笑)
☆591さま この二人が一番難しいですよ(><)
でも向き合ってきてると思います。
☆さやさま 田口・・押しの一手ですね(苦笑)
☆Kirscheさま 友情いいですよね~
でもなんとか・・愛情にしたいですね~
☆ののあさま いつもありがとうございます♪
良かった~淳聖大丈夫そうでしたか?
ホッとしました(笑)
☆うーたさま Sも発動させますよvv
私もどっちかっていうと鬼畜の方が好き・・(笑)
でもこの1週間では無いかな・・?って感じです
☆596さま そうですか♪嬉しいですvv
頑張ります♪
☆blueさま キンキいいですよね~~♪私も好きですよvv
田口・・頑張りますよ(><)聖落とすために・・(苦笑)
602 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:03
☆598さま 田口・・執念の男です!!頑張ります(笑)
☆ゆーさま ちょっとヘタレ田口さんですが・・
今のとこホワイト田口さんなので・・(^^;)
☆YUZUKIさま わ・・感想すみません・・
無理はしないでください・・何せ今淳聖編ですしね(苦笑)
YUZUKIさまの禁断ものめちゃ好物なのでついつい・・(^^)
更新楽しみにしてますvv
603 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:06
●卍●
更新させていただきます♪
ここまで更新しなかったの初めてですよ~
まだ終わって無いですが(YY)
気晴らしに小説書くのも楽しいのでついつい・・
3月はこんな感じの更新になりますがよろしくお願いしますvv
●卍●
604 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:20
・・・・・3日目
605 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:21
朝・・熱は冷めたのに聖への想いは変わらなかった。
この想いも一緒に冷めてくれば良かったのに・・・。
そう熱に浮かされたような熱い溜息を溢す。
606 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:22
「こ・・・き・・・」
隣で眠る聖の頭をまるで恋人のように優しく触れた。
「・・・ん・・・」
聖は目を擦りながら目覚める。
「・・・田口・・風邪は・・・?」
「・・・うん・・ありがとう・・もう大丈夫だよ・・・」
聖は嬉しそうに微笑みながら、田口の額へ手を伸ばす。
607 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:23
「おお!!治った・・オレのおかげだな・・感謝しろよ?」
「・・うん・・本当・・聖のおかげだね・・・」
「・・・・・・・・・。」
あまりに素直な田口に聖は苦笑いを浮べた。
「お前さ・・ダジャレとか言わないの?」
「・・・言って欲しい?」
田口があまりに優しく微笑むから聖も言葉を詰まらす。
「・・や・・・なんか・・違うから・・」
608 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:25
「オレがダジャレを言うのはね・・聖に笑って欲しい時と・・・
聖にオレを見て欲しい時・・・・まぁ・・場を和ませる為にも使うけどね・・」
「・・・なんだよソレ・・・なんでオレ?意味わかんね・・」
聖は気マズそうに頭を掻きながら、ベッドから下りようとした。
すかさずその手を田口は掴む。
聖が驚いて田口を睨みつけ、普段自分を見る時の聖の目つきに
思わず苦笑いを浮べた。
609 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:25
「わかんない?・・・・聖・・・・
・・・・だって・・聖がオレの声聞いてくれるのって、
オレがダジャレ言ってる時だけなんだよ・・?
普段はほとんど無視するか声すら聖の耳に届いてない・・。
でもオレがダジャレ言った時だけ、
不機嫌だけどオレのコト見てくれるから・・っ。」
泣きそうにその綺麗な顔を歪める田口に、
聖は小さく溜息を洩らした。
「・・・・・バカじゃね・・・・。」
「・・うん・・・・・・バカだよね・・・」
「手・・放せよ・・・」
その言葉に田口は小さく頭を横に振る。
610 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:26
聖が無理やり手を振り払おうとしても、ビクともしない。
「・・チッ・・何だよ・・」
田口は俯いていた顔をあげ、聖と視線を絡める。
・・・・・・・・・・・。
そして小さく息を吐き出した。
611 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:28
「・・・・・・・・・ふ・・ぅ・・・・・っ。
・・・・・・・・・・・。
・・・アンタが好きだ・・・・聖・・・」
今ままで見たことない田口の様子に、
緊張が走った。
612 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:28
目が逸らせない・・掴まれた手が痛い・・。
心臓が張り裂けそうなほど速く動き出すのがわかった。
「・・・・・・・・っ・・・・
な・・・な・・何・・・言って・・・・
・・っ・・く、くだらねぇ・・冗談やめろ・・笑えねぇ・・」
聖は乾いた笑いを必死にする。
613 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:29
「・・悪いけど・・・本気だから・・」
そのとたん聖は手を振り解き、叫んだ。
「ヤメローー!!何言ってんだよ!!・・
頭おかしいんじゃねぇの?気色悪いんだよ!・・」
聖は肩で荒く息を吐きながら、振りほどいた田口の手だけ見ていた。
その指先が小さく振るえ、それからギュっと拳をつくる。
614 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:31
「・・・それも知ってる・・・。
・・・・ごめんね・・・・迷惑だってわかってたんだ・・・・。
でも・・・気持ちが抑えられない。
・・・・どうすればいい?・・聖・・」
田口は力なくそう微笑み、堪えきれない涙を溢した。
聖は自分の両手を握り締め
何も言うコトが出来なかった。
615 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:32
「好き・・・聖が好き・・
・・・好きで・・好きで・・・どうしようもない。
・・・・・・・・・・・・。
それを気づかせたのは・・聖だよ・・?」
その言葉に思わず聖は顔をあげ、田口を見つめる。
「・・・か・・看病したからか・・?
あんなこと・・お前じゃなくてもやってた。」
616 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:33
「・・・聖が・・オレなんか優しくするから・・・
聖が・・オレなんかに優しく微笑むから・・・
・・・・・・・・・・・・っ。
聖・・・・ごめん・・・ごめんね・・・・。」
田口は何度も謝りながら手で自分の顔を覆った。
小さく震える肩が聖の目には痛々しく映る。
聖は躊躇いがちに手を伸ばし、田口の頭を軽く叩いた。
「・・・・オレに・・どうしろって言うの?・・・・
お前のコト好きだけど、お前の言う好きとは違うよ?」
617 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:34
田口は紅くさせた目元を優しく微笑ませ、
その目から再び涙をポロリポロリ溢し始める。
懸命に笑おうとしてるのがわかるが、紅い田口の唇が小刻みに震え、
涙で濡らしていた。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・ちゅ・・・・・
それは本当に無意識だった、聖はその唇に自分の唇を重ねる。
618 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:35
田口はモチロン驚いたが、何より驚いたのが聖自身だった。
「・・・・オレを・・・・哀れんでるの?」
「ち・・違っ・・・」
聖は自分の口を覆ったまま黙りこんでしまう。
「・・・・何やってんだろ・・・オレ・・・・
・・・どうかしてるな・・・風呂入ってさっぱりしてこよ・・・」
そのままフラフラとシャワールームへ聖は消えた。
619 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:37
田口は自分の唇を押さえながら、強く思う。
・・・・聖が・・欲しい・・・絶対に・・欲しいよ・・・
聖は情に弱く優しいのを知ってるから、
オレは直球勝負に出た。
もちろん心臓は張り裂けそうなぐらい緊張したし、
殴られるのも覚悟した。
でも聖は困った顔をしながら、オレを傷つけないように
言葉を選んでいるのがわかる。
・・・・・オレは聖の弱さに付け込んだ。
620 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:38
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。
聖の風呂はカラスの行水のように早い。
入って10分もしないうちに出てきたが、頭に大判のタオルをかけ、
視界からオレを消していた。
無かったことにしたいのか、冷蔵庫からビールを取り出し、
ソファに座り、朝食を食べ始める。
田口は小さく溜息を洩らしながら、シャワールームへ向った。
その時、不機嫌な聖が呟く。
「・・・田口・・・お湯溜めておいたから、ちゃんと浸かってから出ろよ
・・・風邪ぶり返さないようにな・・・。」
聖は振り向きはしなかったが、そう静かに言った。
621 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:41
たったそれだけで、飛び跳ねるほど嬉しい自分自身がいる。
「・・うん・・ありがとう・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
聖は田口がシャワールームへ入ったのを耳で確認してから、
深い溜息を洩らした。
「・・・・どうしろって言うんだよ・・・・
・・・田口のバカヤロー・・・」
やり場の無い苛立ちに舌打ちをする。
・・・・・・・・・。
田口の風呂はやたら長い、普通に1時間は入ってる。
聖は考えてもしかたないので、
曲に使えるラップを考え始めた。
622 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:41
静かな部屋で集中すること1時間、
いきなり下手くそなボイパが聞こえてきて集中力が途切れる。
「・・・やめろ・・下手くそ・・・」
「・・・やっぱり・・・?」
田口は・・へへ・・っと照れ笑いを浮べた。
・・・・・・・・・・。
言葉が続かない・・・。
・・・重い沈黙の中、田口はグラスに冷たい水を注ぎ、
聖と向かい合わせに座る。
623 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:43
聖は田口と視線を合わせることなく、
再びテーブルの上の紙にラップを口ずさみながら詩を書いていた。
「・・・・聖・・・・どうしようか・・・・?」
「・・・は・・・?・・何・・・が・・・?」
田口はグラスを両手で握り締めながら、呟く。
「・・ん・・?・・・SEX・・・・」
その言葉に机を叩きながらリズムを取っていた指が止まる。
しかも田口から告られた後にそんなこと・・・
よけい聖の頭を混乱させた。
624 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:44
「・・・・・・・・か・・亀と・・・仁・・ヤったかな・・?」
視線を逸らしながら、別の話題を振る。
「・・・そんなに気になる?」
「・・・ま・・な・・・」
・・・・・・・・・・・。
・・・・・ミシ・・・・
田口の手の中のグラスにヒビが入り、
絨毯の上に・・ぽた・・ぽた・・っと水が落ち始めた。
625 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:46
それに気がつかない聖はソファから立ち上がると
隣の亀梨達の部屋の壁に耳を押し当てる。
「・・・何も聞こえねぇ・・・亀・・大丈夫かな・・?」
田口はヒビの入ったグラスを机に置くと、聖に近づき
腕を掴んだ。
ギリッとした痛みに顔を顰めながら、田口を見ると
人形のように無表情のまま聖を見つめている。
「・・・な・・・なんだよ・・・
・・・放せ・・・」
より一層強くなる圧力に、聖の背筋に嫌な汗が流れ落ちた。
626 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:47
「・・・なんでオレを見てくれないの・・?
・・・オレのことだけ・・・考えてよ・・・
今、ここにいるのはオレなんだよ・・・?」
冷静にかつ単調に吐き出される田口の声に
余計恐怖が襲う。
「・・は・・・放せ・・・っ・・・」
擦れた声を絞り出すように、何とか言葉を紡ぐ。
それでも放そうとしない田口を聖は睨み付けた。
627 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:48
「オレは・・お前がキラ・・・・むぐっ・・」
・・・・嫌いなんだよ・・・・
そう言う前に田口に強引にキスされ、
薄い舌が口内を乱暴にかき回す。
聖はとっさに舌先を噛み付いたにも関わらず、
田口の舌は聖を貪り続けた。
血の味がお互いの口に広まり、
田口の唇から血が流れだす。
「む・・うぅ・・んっ・・・っ・・・」
聖は力いっぱい田口を突き飛ばした。
628 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:49
田口は後ろへよろけながら、血で染まった自分の唇を拭い、
荒い息を吐きながら睨む聖と視線を合わせた。
「て・・てめぇ・・・・」
「・・・・っ・・・嫌いなんて・・・言わないでよ・・・
・・・・頼むから・・・っ・・・・」
田口は床に座り込むと、
能面のようだった顔を歪ませた。
629 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:51
「・・・・・っ・・・・・
どうしろって言うんだよ!!
オレに・・・どうしろと・・・・?
もう・・わかんねぇ・・・・・・・
お前が変なコト言うから・・・・っ・・・・・」
聖も顔を歪ませ自分の髪の毛を握りしめる。
「・・・好き・・・
・・・・好きだよ・・・聖・・・・・
お願いだから・・オレを好きになって下さい。
お願いします。・・・・」
田口は溢れる涙を手の甲で擦りながら、そう頭を下げた。
630 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:52
聖は静かに嗚咽を溢しながら、田口に背を向け
呟く。
「・・・・今日は・・・・・一人で考えさせて・・っ・・」
・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・う・・・ん・・。」
聖はソファの上に横たわると
腕で顔を覆いながら目を瞑る。
田口も無言のままベッドへ寝転んだ。
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卍 馬と鹿の本能 卍 (仁亀 淳聖 竜雄)
601 卍寺 2008/03/06(Thu) 00:59
☆589さま S田口は一週間後の淳聖で発動する予定です(^^;)
☆590さま 今回は聖・・ドキドキですかもね??(笑)
☆591さま この二人が一番難しいですよ(><)
でも向き合ってきてると思います。
☆さやさま 田口・・押しの一手ですね(苦笑)
☆Kirscheさま 友情いいですよね~
でもなんとか・・愛情にしたいですね~
☆ののあさま いつもありがとうございます♪
良かった~淳聖大丈夫そうでしたか?
ホッとしました(笑)
☆うーたさま Sも発動させますよvv
私もどっちかっていうと鬼畜の方が好き・・(笑)
でもこの1週間では無いかな・・?って感じです
☆596さま そうですか♪嬉しいですvv
頑張ります♪
☆blueさま キンキいいですよね~~♪私も好きですよvv
田口・・頑張りますよ(><)聖落とすために・・(苦笑)
602 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:03
☆598さま 田口・・執念の男です!!頑張ります(笑)
☆ゆーさま ちょっとヘタレ田口さんですが・・
今のとこホワイト田口さんなので・・(^^;)
☆YUZUKIさま わ・・感想すみません・・
無理はしないでください・・何せ今淳聖編ですしね(苦笑)
YUZUKIさまの禁断ものめちゃ好物なのでついつい・・(^^)
更新楽しみにしてますvv
603 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:06
●卍●
更新させていただきます♪
ここまで更新しなかったの初めてですよ~
まだ終わって無いですが(YY)
気晴らしに小説書くのも楽しいのでついつい・・
3月はこんな感じの更新になりますがよろしくお願いしますvv
●卍●
604 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:20
・・・・・3日目
605 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:21
朝・・熱は冷めたのに聖への想いは変わらなかった。
この想いも一緒に冷めてくれば良かったのに・・・。
そう熱に浮かされたような熱い溜息を溢す。
606 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:22
「こ・・・き・・・」
隣で眠る聖の頭をまるで恋人のように優しく触れた。
「・・・ん・・・」
聖は目を擦りながら目覚める。
「・・・田口・・風邪は・・・?」
「・・・うん・・ありがとう・・もう大丈夫だよ・・・」
聖は嬉しそうに微笑みながら、田口の額へ手を伸ばす。
607 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:23
「おお!!治った・・オレのおかげだな・・感謝しろよ?」
「・・うん・・本当・・聖のおかげだね・・・」
「・・・・・・・・・。」
あまりに素直な田口に聖は苦笑いを浮べた。
「お前さ・・ダジャレとか言わないの?」
「・・・言って欲しい?」
田口があまりに優しく微笑むから聖も言葉を詰まらす。
「・・や・・・なんか・・違うから・・」
608 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:25
「オレがダジャレを言うのはね・・聖に笑って欲しい時と・・・
聖にオレを見て欲しい時・・・・まぁ・・場を和ませる為にも使うけどね・・」
「・・・なんだよソレ・・・なんでオレ?意味わかんね・・」
聖は気マズそうに頭を掻きながら、ベッドから下りようとした。
すかさずその手を田口は掴む。
聖が驚いて田口を睨みつけ、普段自分を見る時の聖の目つきに
思わず苦笑いを浮べた。
609 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:25
「わかんない?・・・・聖・・・・
・・・・だって・・聖がオレの声聞いてくれるのって、
オレがダジャレ言ってる時だけなんだよ・・?
普段はほとんど無視するか声すら聖の耳に届いてない・・。
でもオレがダジャレ言った時だけ、
不機嫌だけどオレのコト見てくれるから・・っ。」
泣きそうにその綺麗な顔を歪める田口に、
聖は小さく溜息を洩らした。
「・・・・・バカじゃね・・・・。」
「・・うん・・・・・・バカだよね・・・」
「手・・放せよ・・・」
その言葉に田口は小さく頭を横に振る。
610 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:26
聖が無理やり手を振り払おうとしても、ビクともしない。
「・・チッ・・何だよ・・」
田口は俯いていた顔をあげ、聖と視線を絡める。
・・・・・・・・・・・。
そして小さく息を吐き出した。
611 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:28
「・・・・・・・・・ふ・・ぅ・・・・・っ。
・・・・・・・・・・・。
・・・アンタが好きだ・・・・聖・・・」
今ままで見たことない田口の様子に、
緊張が走った。
612 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:28
目が逸らせない・・掴まれた手が痛い・・。
心臓が張り裂けそうなほど速く動き出すのがわかった。
「・・・・・・・・っ・・・・
な・・・な・・何・・・言って・・・・
・・っ・・く、くだらねぇ・・冗談やめろ・・笑えねぇ・・」
聖は乾いた笑いを必死にする。
613 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:29
「・・悪いけど・・・本気だから・・」
そのとたん聖は手を振り解き、叫んだ。
「ヤメローー!!何言ってんだよ!!・・
頭おかしいんじゃねぇの?気色悪いんだよ!・・」
聖は肩で荒く息を吐きながら、振りほどいた田口の手だけ見ていた。
その指先が小さく振るえ、それからギュっと拳をつくる。
614 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:31
「・・・それも知ってる・・・。
・・・・ごめんね・・・・迷惑だってわかってたんだ・・・・。
でも・・・気持ちが抑えられない。
・・・・どうすればいい?・・聖・・」
田口は力なくそう微笑み、堪えきれない涙を溢した。
聖は自分の両手を握り締め
何も言うコトが出来なかった。
615 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:32
「好き・・・聖が好き・・
・・・好きで・・好きで・・・どうしようもない。
・・・・・・・・・・・・。
それを気づかせたのは・・聖だよ・・?」
その言葉に思わず聖は顔をあげ、田口を見つめる。
「・・・か・・看病したからか・・?
あんなこと・・お前じゃなくてもやってた。」
616 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:33
「・・・聖が・・オレなんか優しくするから・・・
聖が・・オレなんかに優しく微笑むから・・・
・・・・・・・・・・・・っ。
聖・・・・ごめん・・・ごめんね・・・・。」
田口は何度も謝りながら手で自分の顔を覆った。
小さく震える肩が聖の目には痛々しく映る。
聖は躊躇いがちに手を伸ばし、田口の頭を軽く叩いた。
「・・・・オレに・・どうしろって言うの?・・・・
お前のコト好きだけど、お前の言う好きとは違うよ?」
617 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:34
田口は紅くさせた目元を優しく微笑ませ、
その目から再び涙をポロリポロリ溢し始める。
懸命に笑おうとしてるのがわかるが、紅い田口の唇が小刻みに震え、
涙で濡らしていた。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・ちゅ・・・・・
それは本当に無意識だった、聖はその唇に自分の唇を重ねる。
618 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:35
田口はモチロン驚いたが、何より驚いたのが聖自身だった。
「・・・・オレを・・・・哀れんでるの?」
「ち・・違っ・・・」
聖は自分の口を覆ったまま黙りこんでしまう。
「・・・・何やってんだろ・・・オレ・・・・
・・・どうかしてるな・・・風呂入ってさっぱりしてこよ・・・」
そのままフラフラとシャワールームへ聖は消えた。
619 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:37
田口は自分の唇を押さえながら、強く思う。
・・・・聖が・・欲しい・・・絶対に・・欲しいよ・・・
聖は情に弱く優しいのを知ってるから、
オレは直球勝負に出た。
もちろん心臓は張り裂けそうなぐらい緊張したし、
殴られるのも覚悟した。
でも聖は困った顔をしながら、オレを傷つけないように
言葉を選んでいるのがわかる。
・・・・・オレは聖の弱さに付け込んだ。
620 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:38
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。
聖の風呂はカラスの行水のように早い。
入って10分もしないうちに出てきたが、頭に大判のタオルをかけ、
視界からオレを消していた。
無かったことにしたいのか、冷蔵庫からビールを取り出し、
ソファに座り、朝食を食べ始める。
田口は小さく溜息を洩らしながら、シャワールームへ向った。
その時、不機嫌な聖が呟く。
「・・・田口・・・お湯溜めておいたから、ちゃんと浸かってから出ろよ
・・・風邪ぶり返さないようにな・・・。」
聖は振り向きはしなかったが、そう静かに言った。
621 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:41
たったそれだけで、飛び跳ねるほど嬉しい自分自身がいる。
「・・うん・・ありがとう・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
聖は田口がシャワールームへ入ったのを耳で確認してから、
深い溜息を洩らした。
「・・・・どうしろって言うんだよ・・・・
・・・田口のバカヤロー・・・」
やり場の無い苛立ちに舌打ちをする。
・・・・・・・・・。
田口の風呂はやたら長い、普通に1時間は入ってる。
聖は考えてもしかたないので、
曲に使えるラップを考え始めた。
622 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:41
静かな部屋で集中すること1時間、
いきなり下手くそなボイパが聞こえてきて集中力が途切れる。
「・・・やめろ・・下手くそ・・・」
「・・・やっぱり・・・?」
田口は・・へへ・・っと照れ笑いを浮べた。
・・・・・・・・・・。
言葉が続かない・・・。
・・・重い沈黙の中、田口はグラスに冷たい水を注ぎ、
聖と向かい合わせに座る。
623 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:43
聖は田口と視線を合わせることなく、
再びテーブルの上の紙にラップを口ずさみながら詩を書いていた。
「・・・・聖・・・・どうしようか・・・・?」
「・・・は・・・?・・何・・・が・・・?」
田口はグラスを両手で握り締めながら、呟く。
「・・ん・・?・・・SEX・・・・」
その言葉に机を叩きながらリズムを取っていた指が止まる。
しかも田口から告られた後にそんなこと・・・
よけい聖の頭を混乱させた。
624 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:44
「・・・・・・・・か・・亀と・・・仁・・ヤったかな・・?」
視線を逸らしながら、別の話題を振る。
「・・・そんなに気になる?」
「・・・ま・・な・・・」
・・・・・・・・・・・。
・・・・・ミシ・・・・
田口の手の中のグラスにヒビが入り、
絨毯の上に・・ぽた・・ぽた・・っと水が落ち始めた。
625 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:46
それに気がつかない聖はソファから立ち上がると
隣の亀梨達の部屋の壁に耳を押し当てる。
「・・・何も聞こえねぇ・・・亀・・大丈夫かな・・?」
田口はヒビの入ったグラスを机に置くと、聖に近づき
腕を掴んだ。
ギリッとした痛みに顔を顰めながら、田口を見ると
人形のように無表情のまま聖を見つめている。
「・・・な・・・なんだよ・・・
・・・放せ・・・」
より一層強くなる圧力に、聖の背筋に嫌な汗が流れ落ちた。
626 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:47
「・・・なんでオレを見てくれないの・・?
・・・オレのことだけ・・・考えてよ・・・
今、ここにいるのはオレなんだよ・・・?」
冷静にかつ単調に吐き出される田口の声に
余計恐怖が襲う。
「・・は・・・放せ・・・っ・・・」
擦れた声を絞り出すように、何とか言葉を紡ぐ。
それでも放そうとしない田口を聖は睨み付けた。
627 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:48
「オレは・・お前がキラ・・・・むぐっ・・」
・・・・嫌いなんだよ・・・・
そう言う前に田口に強引にキスされ、
薄い舌が口内を乱暴にかき回す。
聖はとっさに舌先を噛み付いたにも関わらず、
田口の舌は聖を貪り続けた。
血の味がお互いの口に広まり、
田口の唇から血が流れだす。
「む・・うぅ・・んっ・・・っ・・・」
聖は力いっぱい田口を突き飛ばした。
628 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:49
田口は後ろへよろけながら、血で染まった自分の唇を拭い、
荒い息を吐きながら睨む聖と視線を合わせた。
「て・・てめぇ・・・・」
「・・・・っ・・・嫌いなんて・・・言わないでよ・・・
・・・・頼むから・・・っ・・・・」
田口は床に座り込むと、
能面のようだった顔を歪ませた。
629 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:51
「・・・・・っ・・・・・
どうしろって言うんだよ!!
オレに・・・どうしろと・・・・?
もう・・わかんねぇ・・・・・・・
お前が変なコト言うから・・・・っ・・・・・」
聖も顔を歪ませ自分の髪の毛を握りしめる。
「・・・好き・・・
・・・・好きだよ・・・聖・・・・・
お願いだから・・オレを好きになって下さい。
お願いします。・・・・」
田口は溢れる涙を手の甲で擦りながら、そう頭を下げた。
630 卍寺 2008/03/06(Thu) 01:52
聖は静かに嗚咽を溢しながら、田口に背を向け
呟く。
「・・・・今日は・・・・・一人で考えさせて・・っ・・」
・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・う・・・ん・・。」
聖はソファの上に横たわると
腕で顔を覆いながら目を瞑る。
田口も無言のままベッドへ寝転んだ。
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